2019年7月21日(日)

プーチン大統領、貿易戦争で激しい対米批判
習主席は「一帯一路」参加呼びかけ

中国・台湾
ヨーロッパ
2019/6/7 22:51 (2019/6/8 1:49更新)
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【サンクトペテルブルク=石川陽平】ロシアのプーチン大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は7日、ロシア北西部サンクトペテルブルクでそれぞれ演説した。プーチン氏は「貿易戦争や制裁」によって自国の経済的優位を保とうとしていると米国を激しく批判した。習氏も米国の保護主義を暗に批判し、中国が進める広域経済圏構想「一帯一路」への参加をロシアや他の国々に呼びかけた。

7日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムで演説するプーチン・ロシア大統領=AP

6~8日の日程で開催中のサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで演説したプーチン氏は「世界経済は貿易戦争と保護主義の時代に入った」と発言した。戦後、米主導でつくられた世界の経済秩序が新興国の急成長によって現状に合わなくなり、新たに台頭してきた国々に欧米が貿易戦争を仕掛けているとも強調した。

例として、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を巡る米中対立を挙げた。プーチン氏は「米国は乱暴にもグローバル市場からファーウェイを締め出そうとしている」と語気を強めた。ロシアから欧州に天然ガスを輸出するパイプライン「ノルドストリーム2」の実現を米国が阻もうとしているとも述べた。

米国を激しく非難したプーチン氏とは異なり、習氏は名指しはせずに米国を暗に批判した。トランプ政権の保護主義を念頭に「経済のグローバル化への反対や覇権主義を背景に、新しい問題が起きつつある」と指摘。「オープンで多様化した世界経済の形成に向けて協力することが重要だ」と強調した。

習氏は世界経済の持続的な成長に向けて役割を果たしていくとも表明した。ロシアに対しては「プーチン氏が進める(旧ソ連諸国の)ユーラシアパートナーシップと結びつけていくことで合意している」と述べ、一帯一路への積極的な参加を求めた。

 プーチン氏の演説の要旨は以下の通り。

【世界経済の現状】グローバル経済は形式的にはプラス成長を示している。だが、こうした成長にもかかわらず、経済関係のモデルは危機にあると、国家指導者は認める必要がある。貿易は成長の絶対的な原動力であることをやめた。新しい原動力には超現代的な技術がなるべきだが、まだそうなっていない。

【欧米主導経済の批判】欧米の従来モデルは本質的に西側諸国を独占的な地位に置き、優位を与えようとするものだった。他の国はそれに従うしかなかった。このシステムが揺らぎ始め、競争相手が出てきた時、どんな対価を払っても自らの優位を維持しようという野心と欲求が生まれた。世界経済は貿易戦争と保護主義の時代に入った。

【企業活動をめぐる米国と中ロの対立】米国は乱暴にもグローバル市場から(中国通信機器大手の)華為技術(ファーウェイ)を閉め出そうとしている。(ロシアから欧州へのガスパイプライン計画)ノルドストリーム2をいつも頓挫させようとしている。

【ロシア経済の目標と政策】世界の五大経済国の仲間入りをする目標だ。生活の質や福祉を反映するすべての指標で欧州の平均に達したい。政府系企業と主要な民間企業には、新素材や遺伝子工学などの科学技術開発で国家のパートナーになるように提案する。中央・東シベリアをロシアの欧州部と極東を結ぶ輪として開発する。

【ビジネス環境の改善】検査監督部門が時代遅れで過剰だ。司法機関がビジネスに根拠もなく不法に介入している。この問題で重要な改革に着手した。2020年1月には(検査監督部門の)従来の古い法律や規則が失効し、代わりに明確な新システムが始まる。

【関連記事】習氏、米を暗にけん制「覇権主義が台頭している」

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