目標遠ざかる出生率1.42 3年連続低下
18年、出生数は91.8万人で過去最低
厚生労働省は7日、1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる2018年の合計特殊出生率が1.42となり、前年から0.01ポイント下がったと発表した。低下は3年連続だ。政府が25年度までにめざす子育て世代が希望通りに子どもを持てる「希望出生率」の1.8は遠い。晩婚や非婚化の影響が大きく、政府は少子化対策の見直しを迫られそうだ。

厚労省が同日発表した18年の人口動態統計で明らかになった。同年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8397人で過去最少を更新した。前年比では2万7668人減った。出生率は05年に記録した1.26に比べると高い水準にあるが、女性人口が減っており、出生数は右肩下がりで、3年連続で100万人割れとなった。
人口減は速度を増しており、18年は出生数と死亡数の差である人口の自然減が44万4085人となった。
出生数を母親の年代別にみると、44歳以下の全ての年齢層で減った。30~34歳は前年から1万人超減り33万4906人となったほか、25~29歳でも約7000人減の23万3754人となった。出生数は公的年金などの社会保障の前提となる国立社会保障・人口問題研究所の将来推計を1万人弱下回ったもよう。厚労省の担当者は「深刻な影響ではないが、注視していきたい」と述べた。
出生数の低下が止まらない理由は主に2つある。人口減少と出産年齢の高止まりだ。25~39歳の女性人口は1年間で2.5%減った。第1子の出産年齢は30.7歳で過去最高水準にある。
全国で最も出生率が低い東京都では0.01ポイント低下し1.20となったほか、神奈川県や大阪府などの大都市圏は全国平均を下回る1.3台で推移した。最も高いのは沖縄県の1.89だった。