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トヨタ、EV「一気出し」のワケ 仲間作りの呼び水

トヨタ自動車は7日、「電気自動車(EV)の普及を目指して」と題する記者会見を都内で開いた。強みのハイブリッド車(HV)を中心とする電動車戦略を加速しているが、EVに絞って説明するのは近年では初めてだ。事業戦略だけでなくEVを核にしたビジネスモデル、電池、商品まで一度に紹介する、いわば「一気出し」の異例の会見となった。

電動車の戦略を語る中でHVを中心に据えてきたトヨタ。特許開放などを通じてHVではトヨタの技術を使う完成車メーカーや部品会社などの陣営づくりを進めてきた。今回、EVに関連する戦略を一気に公表したのは、具体的な進捗をみせることで、EVでもHVと同じように仲間づくりを進める狙いがある。

「EVへの姿勢が変わったわけではない。従来から考えていたスケジュールだ。他社の動きなどを見てあせっているというわけではない」。記者会見した寺師茂樹副社長はこう話した。トヨタはEVの商品化で出遅れているとかねて指摘されていることに反論した形だ。寺師氏の両脇には豊島浩二ZEVファクトリー部長と海田啓司電池事業領域領域長というEVと電池のキーマンがそれぞれ顔をそろえた。

会見では電動車向けの車載用電池で世界最大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)、東芝、GSユアサなどと提携も視野に協業していくことを明らかにした。トヨタとして掲げた電動車の販売目標が5年程度前倒しで達成しそうな見通しや、2020年以降に国内で発売する超小型EVなど4種類を初めて披露した。

会場にはEVラインアップやコンセプトを検討するための「クレイモデル」もずらりと並んだ。「EV開発のイメージを持ってもらえるように通常は公開しないものも展示に踏み切った」(トヨタ)

トヨタはEVの将来性について「顧客が買いたいと思ってくれるかどうかにかかっている」(幹部)とする。高コストの電池など課題の多いEVは現時点では収益性にも疑問符がつく。HVをはじめとする電動車ラインアップの中ではまだまだ「次男坊」や「三男坊」といった位置付けだ。

一方でトヨタもEVの開発には歴史があり、「全方位のラインアップをそろえる中でも他社には負けられない」(幹部)との自負ものぞく。EV自体の開発や製造はもちろん、周辺ビジネスでも仲間づくりを進めることで、コスト削減や関連ビジネスの創出などでEVを事業として軌道に乗せることが重要と捉えている。一気出しはさらなる仲間を集める「呼び水」にする考えだ。

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