シカの角、指輪やピアスに 山梨・地場産業の技術活用

2019/6/7 11:51
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山梨県は地場産業の宝飾品加工技術を生かし、食害対策で捕獲したニホンジカの角を使った指輪やピアスを考案した。皮や肉は工芸や食用に一定の需要があったが、角は大半が処分されていた。県産業技術センター主任研究員の串田賢一さん(49)は「活用方法が増えれば猟師のモチベーションとなり、さらに高品質な革やシカ肉の生産につながる」と期待する。

シカの角で作られた花柄の指輪=共同

シカの角で作られたピアス=共同

シカの角は内部に細かい空洞があり加工には不向きで、価値が低いとされてきた。串田さんは輪切りにした断面の外側に、強度が十分な部分があるのを見つけ、地場産業の技術と組み合わせれば商品化が可能と判断。地元の象牙彫刻家やジュエリー会社に加工を依頼し、きめ細かな花柄の指輪などの試作品が完成した。

山梨県でも、個体数を回復しようと狩猟規制を実施したことや、猟師の減少によりシカの数は激増。県内の野生のシカは2014年度には7万7千頭に上ったと推定され、少なくとも年間3億円以上の農林業被害が確認された。近年は年間1万頭以上を捕獲。森林面積を考慮し、生態系に大きな影響を与えないとされる4700頭まで減らすのが目標という。

串田さんは「きちんと加工すればここまで美しいものができると示したかった。地域の産業全体に好循環が生まれてほしい」と話している。〔共同〕

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