2019年9月23日(月)

民泊解禁1年 九州・沖縄、訪日客需要が追い風

2019/6/7 6:30
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民泊を解禁した住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から15日で1年。九州・沖縄の新法下の届出住宅数(5月時点)は1989件に達した。訪日外国人(インバウンド)の増加を受け、福岡県では不動産会社など企業の参入が目立つ。需要の拡大に従業員確保が追いつかないケースも出ている。

キャナルシティ博多はインバウンドの人気が高い(5月下旬、福岡市)

キャナルシティ博多はインバウンドの人気が高い(5月下旬、福岡市)

「賃貸マンションの住人に退去してもらっても、民泊にしたいと考える企業は多い」。福岡市で民泊用宿泊施設の清掃を請け負う男性は話す。民泊で得られる収益は部屋によっては賃貸の2倍近くなるためだ。

福岡市で個人で民泊を営む男性も「煙探知機などの初期投資に60万円ほどかかったが、賃貸より月5万円ほどもうかる」と話す。

民泊新法での部屋数は福岡県が873件で全国5位。4位の沖縄県に次いで多かった。福岡県での届け出のうち、約9割を福岡市が占める。これとは別に、福岡市は旅館業法で許可を受けた民泊数も増えており、この1年で322件(3月時点)と3倍に増えた。

目立つのが不動産会社など企業の参入だ。民泊大手エアビーアンドビー(エアB&B)によると、福岡市は企業が個人の3倍にのぼるという。

九州を訪れた外国人観光客は2018年に500万人を突破し、過去最高となった。民泊に参入した不動産会社(福岡市)は利用者の半数をインバウンドが占める。福岡市博多区にある商業施設「キャナルシティ博多」周辺が「特に人気が高い」(同社)とし、民泊施設が急増しているという。

企業からするとインバウンド需要を受け、初めからホテルを建てるとブームの一巡時にマンションなどへの改装が難しい。一方、賃貸用マンションを建て民泊に転用する場合はブームが落ち込んだ際も賃貸用に転用できるため投資しやすい面もあり、民泊への参入が進んでいる。

課題はここでも人手不足だ。前述の福岡市の清掃会社は「依頼される部屋数は2年で3倍に増えた。今年はさらに3倍以上増える見込みで、対応しきれない」と悲鳴を上げる。民泊会社も「従業員40人程度で150室の清掃をしている。現在の人数でこれ以上部屋を増やせない」と打ち明ける。

インターネットを使った予約や決済で効率化が進んでも、ベッドシーツの取り換えや清掃は人手に頼らざるを得ない。人手不足にどう対応するかが、民泊市場の今後の成長のカギを握る。(荒木望)

▼民泊 アパートの空き部屋などに有料で旅行者らを泊める事業。昨年まで旅館業法などの認可が必要だったが、インバウンド増加を受け、民泊新法が成立。宿泊日数が年180日に限られる一方、一定の居住要件を満たす住宅なら民泊にできるようになった。

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