インド中銀が3連続利下げ 政策姿勢「緩和」に

2019/6/6 18:14
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【ムンバイ=早川麗】インド準備銀行(中央銀行)は6日開いた政策決定会合で、政策金利を0.25%下げて年5.75%とすることを決めた。利下げは3会合連続で、2010年8月以来、約9年ぶりの5%台となった。同国は4四半期連続で実質経済成長率が低下するなど景気減速が鮮明になっている。金融緩和で個人消費や企業の設備投資などを促す狙いだ。金融政策姿勢も「中立」から「緩和」に変更した。

インド準備銀行のダス総裁=ロイター

利下げは即日実施した。会合後の記者会見で、ダス総裁は「経済成長の勢いが著しく弱まっている」と指摘した。政策姿勢の変更に関して「(当面は)利上げは選択肢にない」と強調した。

政策決定会合は隔月開催で、5月23日の総選挙後で初めての開催となった。選挙では与党が圧勝し、モディ政権の継続が決まった。新政権は高い経済成長を取り戻し、雇用創出などにつなげることが急務だ。ダス総裁は金融緩和で新政権と歩調を合わせ、景気浮揚に取り組む姿勢を示した。

他の新興国と同様、インド経済も減速が鮮明となっている。5月31日に政府統計局が発表した1~3月の実質経済成長率は5.8%と、4四半期連続で低下した。伸び率は5年ぶりの低さで、2018年度(18年4月~19年3月)の成長率も6.8%と、5年ぶりに7%を下回った。

4月の新車販売は前年同月比14.9%減った。大手タタ自動車は「業界全体が減速している」(乗用車事業トップのマヤンク・パリーク氏)と懸念する。鉄鋼製品やセメントの販売も振るわなかった。中銀は19年度の経済成長率の見通しを7.0%とし、4月時点の見通し(7.2%)から引き下げた。

物価は落ち着いている。消費者物価指数(CPI)の上昇率は18年11月から2%以下で推移し、中銀が中期目標とする「4%前後」の許容範囲内にある。足元では3カ月連続で上昇しているものの、中銀は利下げの障壁とは判断しなかったもようだ。

通貨インドルピーは1ドル=69ルピー前後と、18年秋につけた最安値(74ルピー台)よりはルピー高で推移している。利下げで通貨安が進めば輸入額を膨らませかねないが、市場はすでに利下げを織り込み済みで、決定後の為替相場の動きは軽微だった。

第2次モディ政権は利下げを追い風に、消費回復や雇用創出などの経済改革に着手する。ただ、米中貿易摩擦の影響で製造業や建設業などの落ち込みが目立っており、今回の追加利下げが景気を刺激するかは不透明だ。

インドの格付け会社インディア・レーティングス・アンド・リサーチのエコノミスト、スニル・シンハ氏は「過去2回の利下げにもかかわらず、金融機関が貸出金利を下げておらず、利下げによる景気刺激の効果が期待通り表れていない」と指摘する。

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