2019年8月19日(月)

私大の学部譲渡を容易に 文科省、再編・統合を後押し

大学
2019/6/6 17:40
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文部科学省は6日までに、私立大学間の学部の譲渡をしやすくするため関連法令を改正し、内容を全国の学校法人などに通知した。従来は学部を一度廃止して譲渡先の大学が改めて新設する必要があったが、より少ない手続きで可能になる。18歳人口の減少で大学経営は厳しさを増しており、同省は私大の再編・統合を後押しする効果があるとみている。

通知は5月13日付。私立学校法の施行規則を見直し、学部の廃止と設置の組み合わせではなく、譲渡先の大学が設置者変更の手続きをとることで学部の譲渡ができるようにした。

これまで必要だった経営状況や校地・校舎、教員数、教育課程などの審査が不要になり、大学側の負担が軽くなる。ただし、経営や教育・研究の環境が譲渡前と同じ水準に保たれることが条件。新制度は学部のほか大学院の研究科、短期大学の学科を譲渡する場合にも適用される。

利用を希望する場合、2019年度中に文科省に申請し、認められれば20年4月にも学部譲渡が可能になる。

既に関西国際大(兵庫県三木市)と神戸山手大(神戸市)が新制度を活用し、20年4月に「関西国際大」として統合する方針を表明。最初の事例となる可能性がある。神戸山手大は唯一設置している現代社会学部を関西国際大に譲渡し、実質的に吸収合併される。

同省は「健全な大学が他校の学部の譲渡を受けて教育組織を拡充したり特色を強めたりする」「経営不振校が学部を有償で譲渡し、財務状況を改善する」といったケースでの利用が想定されるとしている。

18歳人口の減少は今後一段と進み、大学進学者は17年の約63万人が40年には2割減の約51万人になると推計されている。私大は18年度で全体の36.1%、210校が定員割れの状態。同省は学部の譲渡がしやすくなれば、経営が厳しい私大のスムーズな撤退につながる可能性もあるとみている。

新制度は中央教育審議会が18年11月に導入を答申。文科省が具体的な制度設計を進めていた。

同省は大学再編を促すための仕組みづくりを進めている。国立大学法人が複数の大学を経営できるようにする改正法が5月に成立。中央教育審議会は地方などで国公私立大学が連携するための枠組みとなる「大学等連携推進法人(仮称)」の制度創設も求めている。

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