公衆と自営のLTE回線をスムーズに切り替え、実証実験

2019/6/6 14:00
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日経クロステック

東京大学大学院の中尾彰宏教授とインターネットイニシアティブ(IIJ)は2019年6月5日、LTE(携帯電話用の通信回線)の公衆回線(パブリックLTE)と自営回線(プライベートLTE)を連携させる実証実験を同日から20年3月まで実施すると発表した。自営LTEのカバーエリアに入った際に公衆LTEからスムーズに切り替えるなど、2種類の回線をシームレスに使える環境の実用化を目指す。

東京大学大学院の中尾彰宏教授

東京大学大学院の中尾彰宏教授

中尾教授の研究室に設置した自営LTEとIIJの公衆LTEを接続。IIJが保有する加入者情報の管理サーバー「HSS(Home Subscriber Server)」に対し、自営LTEからもアクセス可能にする。そのうえで、自営LTEのエリア内では優先的に自営LTEへ接続するようにする。

自営回線のエリア内に入った際に、公衆回線からスムーズに切り替えられるかが検証のポイントになるとしている(出所:IIJ)

自営回線のエリア内に入った際に、公衆回線からスムーズに切り替えられるかが検証のポイントになるとしている(出所:IIJ)

「LTEの仕様では優先的に接続する回線を設定できるようになっているが、実際にはうまくいかない。端末に工夫することでシームレスに切り替えられると予想している」(中尾教授)。自営LTEの周波数には「バンド39」と呼ぶ免許不要の1.9ギガヘルツ(GHz)帯を使い、スマートフォンもバンド39に対応した市販品を使用する。

実証実験では50~100人規模のユーザーによる利用を検証するほか、一般ユーザーに対応端末を貸し出すフィールド試験も計画している。商用化に向けては「自営LTEの研究は始まったばかりで、基地局などの設備も現在は通信事業者向けの高額なものしかない。ただし、プライベートLTEを普遍的な技術として使えるようにする機運が高まっており、今後コンパクトで安価な設備も出てくる。第5世代移動通信システム(5G)でも企業などに専用回線を提供する動きがあり、工場や大学のキャンパスでの利用が考えられる」(IIJの島上純一取締役最高技術責任者)とした。

(日経 xTECH/日経コンピュータ 金子寛人)

[日経 xTECH 2019年6月5日掲載]

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