2019年8月24日(土)

米経済「緩やかに拡大も、製造業に減速の兆し」 地区連銀報告

2019/6/6 3:57
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が5日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、4月から5月中旬にかけて米経済は「緩やかに拡大」したと総括判断した。しかし貿易摩擦の影響で「製造業には減速の兆しがある」とし、企業が先行きに懸念を持っていると指摘した。

FRBのベージュブックは米経済は「緩やかに拡大」と総括した=AP

同報告によると、経済成長のペースは「緩やか」で、前回より若干判断を引き上げた。ただ貿易摩擦の影響を受けている製造業と農業には弱さがみられた。

製造業では、中部のセントルイス地区の段ボール業者が「中国との貿易摩擦で生産が鈍化した」と報告。東部のリッチモンド地区では受注減とコスト高で人員削減する企業があったほか、港湾関係者も今後に懸念を表明した。東部のフィラデルフィア地区の企業は、中国製品への追加関税が10%から25%に引き上げられた分について「消費者に転嫁せざるを得ない」としている。

農業は「全般に弱い」ままで、中西部のシカゴ地区の農家は悪天候と農作物価格の低下に強い懸念を持っていた。

雇用は緩やかな増加が続いたが、賃金の上昇圧力は抑制されている。雇用面にも貿易摩擦の影響がみられ、ボストン地区の人材派遣会社は、直接採用の需要が減っていると指摘した。

同報告は5月24日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が経済動向をまとめた。トランプ政権が10日に2000億ドル(約22兆円)の中国製品への制裁関税を引き上げて以降、米中貿易摩擦は激化している。メキシコとの摩擦も問題になっているが、同報告にはこうした影響が完全には反映されていないとみられる。

18~19日に開く次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で、同報告は討議資料になる。市場関係者の大半は次回会合では金利は据え置かれると予測しているが、パウエルFRB議長が4日の講演で貿易摩擦の影響を懸念して「適切に行動する」と発言したことから、年内の利下げ観測も出ている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。