地銀再編 10年で集中支援 成長戦略案、20年法改正

2019/6/5 20:50
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成長戦略では、地銀やバスの経営統合を促している

成長戦略では、地銀やバスの経営統合を促している

政府は5日、国や地方の成長戦略を議論する未来投資会議(議長・安倍晋三首相)を開き、2019年の実行計画案を示した。地方の活性化や雇用改革などを柱に据え、経営環境が厳しい地方銀行は10年間で集中的に再編を促す方針を盛り込んだ。雇用では70歳までの就業機会の確保を努力義務にする法改正を進める。ただ抜本的な構造改革には踏み込めず、成長戦略で掲げている生産性の底上げでは課題が多い。

政府は12年12月の第2次安倍政権の発足後、毎年夏に成長戦略を策定しており、今回が7回目となる。安倍首相は5日の会議で「これまでの発想にとらわれない大胆な政策をスピーディーに実行に移していかなければならない」と述べた。計画案は月内に閣議決定して正式に決める。

柱の一つは地方の生活インフラの維持だ。人口減少を背景に地方では収益が厳しく、サービスの維持が難しくなっている企業も多い。成長戦略では銀行と乗り合いバスを対象に、独占禁止法の除外を認める特例法を20年の通常国会に提出する。従来は地域内でシェアが高まる統合の実施は難しかったが、10年間の時限措置を導入し、この期間内で集中的に再編することを後押しする。

タクシーは相乗りを解禁する。知らない人同士が同乗するサービスを提供できるよう規制を緩和し、地方の交通手段の維持とともに運転手の人手不足の対策につなげる。

拡大するデジタル経済を成長に結び付ける戦略にも力点を置いた。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックでは、銀行以外の企業の参入を想定する。ネット通販サービスの決済などの一環で、現状より多くの金額の送金を手がけられるようにする。

データ経済への対応ではプラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業を念頭に、通販サイトへの出品企業に一方的な契約条件の押しつけなどを防ぐ法整備を進める。個人情報保護法を改正し、個人が望まないデータの利用を停止できる仕組みも取り入れる。

雇用では高齢者の就業機会の拡大に力点を置く。高年齢者雇用安定法の改正案も20年の通常国会に提出し、定年廃止や起業支援などによる70歳までの雇用確保を「努力規定」として義務化する。大企業には中途採用の比率の公開を求めることで、新卒一括採用への偏重を見直す。副業や兼業がしやすい環境も整え、少子高齢化で働き手が減ることに対応する。

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