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中部同友会、スポーツ選手の就職支援 採用企業に宣伝効果

競技だけで生計を立てられないスポーツ選手を支援するため、中部経済同友会が企業への就職を後押ししている。選手は就職により生活面の安定を確保でき、練習や競技を続けやすくなる。一方の採用企業にとってはイメージアップや製品の宣伝効果が見込まれる。採用希望者の増加につながることも期待できる。

アスナビの説明会で自己PRする選手たち(5日、名古屋市西区)

「競技を通して礼儀や応援してくれる人のありがたみを感じた。競技と仕事を両立し、2020年の東京五輪を目指したい」――。名古屋市内のホテルで5日、中部地方の企業に就職を希望する選手6人が経営者や採用担当者らに向かって自己PRした。

この日開かれたのは日本オリンピック委員会(JOC)が進める「トップアスリート就職支援ナビゲーション(アスナビ)」の説明会だ。アスナビはJOCが2010年に立ち上げた。説明会は中部同友会など地方の経済団体が共催して企業向けに開き、アスナビへの参加を呼びかけるもの。今回は26年にアジア競技大会を開く愛知県も共催に加わった。

同友会はこうした説明会のほか、採用された選手と経営者の座談会を開いて広報誌に掲載するなど、支援活動を広くアピールしている。

企業に就職を希望する選手は、あらかじめアスナビのサイトでエントリーシートを登録する。選手が「勤務は大会や遠征に配慮してほしい」といった条件を記しておき、サイトを見た企業が受け入れ可能と判断すれば連絡する仕組みだ。

これまでにアスナビを通して、全国で食品会社や金融機関など179社に280人の選手が採用された。中部地方では12~16年に企業向け説明会を3回開催。それをきっかけとして東海東京証券、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋(名古屋市)、ジェイテクト、デンソー北海道(北海道千歳市)の4社にレスリングなどの選手7人が採用された。

5日の説明会で登壇した黒須成美さんもその中の1人だ。馬術や水泳など5種目の総合点を競う近代五種の元選手で、12年のロンドン五輪に出場した。

東海東京証券に就職したことにより、現役時代は遠征費などの補助を受け、毎日10時間以上のトレーニングを確保できた。引退後はフルタイムで働き、メディア対応などで会社に所属する現役選手のサポートも担う。「競技でアスリートが頑張ることで、社内に明るいニュースが増える」と話している。

スポーツ選手の採用は企業側にも利点がある。五輪など世界的な大会で社名の入ったユニホームを選手が着用することの宣伝効果は大きい。また有名な選手が入社すれば企業イメージの向上にもつながる。建設業や小売業などが人手不足に悩むなか、採用志望者の増加につながることも期待できる。

中部同友会によると、採用企業からは「所属選手を応援することで会社に一体感が生まれた」といった声もあったという。岡部年彦事務局長は「選手が大会で活躍すれば、中部経済にとってプラスになる。採用につながるよう後押ししたい」と意気込んでいる。(細田琢朗)

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