虐待防止法案、参院で審議入り
親による子どもへの体罰禁止を定める児童虐待防止法と児童福祉法の改正案が5日午前、参院本会議で審議入りした。与野党は衆院で再発防止策の強化などを規定する修正を実施した。参院での審議を経て月内に成立する見込みだ。
根本匠厚生労働相は趣旨説明で「痛ましい事件でかけがえのない子どもの命が失われている。児童相談所(児相)の体制強化、関係機関間の連携強化などの対策が喫緊の課題だ」と述べた。
「しつけ」名目での虐待を防ぐため、改正案では体罰の禁止規定を設けた。親に子どもを戒めることを認める民法の「懲戒権」も施行後2年をめどに見直しの是非を検討する。山下貴司法相は6月20日の法制審議会(法相の諮問機関)で見直しを諮問する方針だ。
児相では子どもの一時保護と保護者支援の担当職員を分ける。すべての児相に医師と保健師を置くよう定める。
与野党の修正で、虐待した親に対する再発防止の指導を都道府県や児相の努力義務に定めた。家族が引っ越した場合に児相間で速やかに情報を共有することも盛り込んだ。衆院では改正案を修正後、全会一致で可決した。