ポーランド、自由選挙30年 政権は式典不参加

2019/6/5 5:25
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【グダニスク=石川潤】ポーランド北部の港湾都市グダニスクで4日、東欧の共産主義政権が相次いで倒れるきっかけになった1989年の自由選挙から30年を祝う式典が開かれた。ワレサ元大統領やポーランド出身のトゥスク欧州連合(EU)大統領らが出席したが、最高実力者で与党「法と正義」党首のカチンスキ氏やモラウィエツキ首相の姿はなく、同国の分断の深さを示した。

ポーランドでの初の自由選挙から30年を祝うワレサ元大統領=ロイター

グダニスクは、ワレサ氏が率いて、共産主義政権を倒す原動力となった自主管理労働組合「連帯」の発祥の地だ。ポーランドでは、89年に共産主義下の東欧で初めて実施された自由選挙で連帯が圧勝し、後の共産主義政権の崩壊につながった。東欧革命やソ連崩壊の引き金といわれる。

だが、強権的な手法で知られる現政権は、89年の選挙は共産主義政権との妥協の産物で、共産主義のエリートらが影響力を残す原因になったなどと批判している。自由選挙を祝う式典が30年前の民主化の理想を呼び起こし、司法の独立などを脅かす現政権への批判につながることを恐れているとの指摘もある。

ワレサ氏は4日の講演で「我々の89年の選挙での勝利がなければ、現政権の今もないということを思い出してほしい」と語りかけた。ワレサ氏とカチンスキ氏はかつて、ともに共産党政権打倒のために戦ったが、現在は敵対関係にある。

ポーランドの政治は強権的な与党とリベラル派が対立する構図だ。トゥスク氏はリベラル派で、今年秋のEU大統領の任期切れ後にはポーランド政界に復帰するとの見方がある。リベラル派は5月の欧州議会選挙で与党に敗れたが、トゥスク氏は演説で「悲しんでいては勝てない」と巻き返しを呼びかけた。

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