2019年8月20日(火)

FRB議長「物価停滞を懸念」 緩和新手法を検討へ

2019/6/5 4:15
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【シカゴ=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日、シカゴでの講演で「底堅い経済環境下でも物価停滞が続いており、リスクを真剣に受け止めている」と主張した。貿易戦争を懸念して「適切な行動をとる」とも述べ、景気不安が高まれば金融緩和も排除しない考えを表明した。利下げ余地の乏しさに対処するために、新たな緩和手法を検討する方針も打ち出した。

物価上昇率は目標の2%を6カ月にわたって下回っており、パウエル氏は「インフレ予測の止めがたい低下を引き起こしかねない」と警戒感を表明した。将来も物価は低迷すると企業や消費者が予測すれば、値上げや賃上げを抑制して日本のように慢性的に物価が上がりにくくなる。同議長は「リスクを真剣に受け止めている」と述べ、対策を急ぐ考えを強調した。

現在の政策金利は2.25~2.50%にとどまり、利下げ余地が乏しい。そのためパウエル氏は新たな金融緩和策を検討する考えも表明した。「議論が極めて初期の段階」として具体論に言及するのを避けたものの「埋め合わせ(Makeup)戦略」という表現を用いて、金融緩和を長期化させて消費者や企業の期待を高める手法に言及した。

量的金融緩和などは非伝統的政策と呼ばれてきたが、パウエル氏は「金融危機時に用いた手法を非伝統的と呼ぶのはやめる時期だろう」とも述べた。金融緩和時には利下げだけでなく量的緩和を再発動する考えを示したもので、景気悪化への備えを強調した。

FRBは4日から2日間の日程で、金融政策の新たな枠組みを探る討論会を開いている。利下げ余地が乏しく、金融政策のダイナミズムが薄れているためで、FRB正副議長のほか地区連銀総裁が一斉に参加して協議した。バーナンキ元議長やジョン・テイラー米スタンフォード大教授ら当局関係者、学識経験者も一斉に集まり、政策論をたたかわせる。

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