2019年7月21日(日)

ルノー、FCAとの統合協議「検討続ける」 5日も取締役会

自動車・機械
ヨーロッパ
2019/6/5 2:33
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【パリ=白石透冴】仏ルノーは4日、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との経営統合案について「検討を続けることにした」と発表した。同日の取締役会で正式な統合協議入り決定を目指したが、新会社の取締役の選び方などを巡って、FCAとの交渉が続いているようだ。5日午後に再び取締役会を開き、協議を再開する。

ルノーはFCAとの経営統合案について、継続協議を決めた=AP

ルノーはFCAとの経営統合案について、継続協議を決めた=AP

ルノーは4日午後(日本時間同日夜)に開いた取締役会後に発表したプレスリリースで「本日取締役会で統合案を詳細に調べたが、統合の検討を前向きに続けることにした」などと表明した。

5日の取締役会で正式な統合協議入りが決まれば、数日内にFCAとの共同記者会見を計画しているという。会見では2社が独占的に統合協議を始める覚書を結ぶとみられる。

FCAの提案では、FCAとルノーが新会社をつくり、両社の既存株主が株式を50%ずつ保有する。本社はオランダに置く。合算で世界販売台数が約870万台と、独フォルクスワーゲン(VW)、トヨタ自動車に次ぐ世界3位の自動車メーカーを目指す。統合効果は年50億ユーロ(約6050億円)以上を見込む。

FCAとルノーの交渉が続いている理由の1つは、統合後の新会社の会長や最高経営責任者(CEO)などをどちらが出すかで交渉が続いているためとみられる。FCAが最初に提示した案では、取締役は11人で2社が4人ずつを選ぶとしたが、経営トップについての言及はなかった。

仏紙フィガロによると、ルノーの筆頭株主である仏政府は、長期的にルノー出身者が新会社のCEOなどに就けるようFCAに確約を求めている。ルノーは日仏連合を組む日産自動車に対し、最高執行責任者(COO)以上の人物を選べる権利を持っており、似た取り決めをイメージしているようだ。

FCAは当初強気な姿勢をみせたが、直近では仏側との交渉に応じる姿勢をみせている。ルノーに比べ電気自動車(EV)などの技術で遅れており、経営統合でこうした次世代技術を取り込みたいと考えているとみられる。

調査会社の英LMCオートモーティブによると、FCAの2018年のEV販売台数は約1千台。ルノーの約4万台、日産を含めた日仏連合の13万台に遠く及ばない。経営統合が破談になれば、打撃を受けるのはFCA側だとみられている。

ただFCAはイタリア政府の視線を意識しながら交渉をしなくてはいけない。サルビーニ伊副首相は3日、イタリアに利益が無いと判断すれば伊政府として介入する可能性があるとロイター通信の取材に語った。こうした背景から、2社の協議に時間がかかっているとみられる。

両社の統合協議は、ルノーと資本関係を持つ日産自動車も注意深く見守っている。現在の日仏連合に比べ企業連合の規模がさらに大きくなると、日産の発言力が低下する懸念があるからだ。西川広人社長兼CEOは3日、ルノーとFCAが統合すれば「日産とルノー両社における関係の在り方を基本的に見直していく必要がある」との声明を発表した。

ルノーとFCAの統合協議が始まれば日産も技術提供、人材交流など具体的な協力体制を決めなければいけない。

焦点になりそうなのが、日産とルノーとの関係を取り決めた協定「改定アライアンス基本合意書(RAMA)」だ。統合新会社ができてもこの協定が役割を果たすのかなどの議論が起きそうだ。日産がルノーに見直しを求める可能性もある。

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