2019年7月22日(月)

トーマツ、新興企業の支援拡充 斎藤氏が子会社社長に

スタートアップ
2019/6/4 18:04
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デロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS、東京・千代田)はスタートアップ企業の支援体制を拡充する。これまで事業統括本部長を務めてきた斎藤祐馬氏(36)が1日付で社長に就任しており、スタートアップの海外進出や大企業とのM&A(合併・買収)を後押しする。斎藤新社長に日本のスタートアップを巡る課題や今後の抱負を聞いた。

デロイトトーマツベンチャーサポートの社長に就任した斎藤祐馬氏

――2010年に斎藤氏が中心となってDTVSの前身となる組織を設立してから、約10年が過ぎました。

「日本のスタートアップエコシステムはこの10年で大きく発展したが、課題もある。起業は増えているが、時価総額が1000億円を超えるユニコーン企業になる企業が限られていることだ」

「ユニコーンを育てる重要なポイントはグローバルな市場をみて事業をつくれるかどうかだ。特に日本ではBtoB(企業向けビジネス)が有望とみており、当社は日本のスタートアップによる海外大企業との提携や販路開拓を支援する業務を本格的に始める」

「具体的には6月下旬に中国・上海でデロイトが主催する大規模イベントに日本のスタートアップも参加してもらう。駐在員も、現在の米シリコンバレー、イスラエルに加えてインドなどアジアで増やす」

――ユニコーンを増やすには経営チームの充実も求められそうです。

「複数の起業経験を持つ連続起業家がカギを握る。連続起業家を増やすには、スタートアップのエグジット(投資回収の手段)が新規株式公開(IPO)だけでなく、大企業への売却といったM&Aもさらに増える必要がある」

「当社は2年前からスタートアップのM&A支援を始め、これまでに5件ほどを手がけた。担当者数は2年前と比べて3倍に増やしており、今期は10件の成立を目指している」

――大企業によるスタートアップへの投資や事業連携も活発ですが、課題をどう見ていますか。

「大企業が本気でオープンイノベーションを推進するには経営層の意識が変わる必要がある。イノベーションは頭で分かっていても、体感しないと分からない。当社が近く本社内にオープンする新施設では、大企業の経営幹部を招き、大型提携に成功した大企業とスタートアップの両者に実情を語ってもらうような企画を考えている」

「今後は大企業が株式の34%以上を持ってスタートアップと組むような戦略が増えるだろう。ここ数年で現場社員の意識は変わってきた。私が社長になったのを機に、大企業の経営トップと直接会い、働きかけていきたい」

――今後の事業目標は。

「国も同じ目標を掲げているが、中期的には2023年までにユニコーンを20社創出したい。50年までの長期では(明治以来500社を超える会社を創設した)渋沢栄一のモデルをアジアで展開したい。アジアやアフリカは今後人口が増えていく一方で、産業インフラの不足など社会課題も多い。日本企業の経験や技術を生かしつつ、デロイトの各国の拠点とも連携し、アジアで社会インフラとなるような会社の立ち上げを支援していきたい」

(鈴木健二朗)

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