2019年7月17日(水)

愛媛・佐田岬の名産、全国へ 廃炉控え地元に活気を

環境エネ・素材
サービス・食品
中国・四国
2019/6/5 16:00
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四国電力は伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)が立地する佐田岬半島で地場産品を生かした活性化に取り組む。伊方原発のメンテナンス子会社が通販サイトで地場銘柄の地酒や柑橘(かんきつ)を使ったジャムなどの全国販売を始めた。伊方原発1、2号機の廃炉で経済効果が薄れることが懸念され、地元の魅力のブランド力を高め、地域経済の基礎固めを急ぐ。

伊方原発が立地する佐田岬半島は根元の八幡浜市と九州・大分に向かって伸びる「しっぽ」の西宇和郡伊方町に分かれる。地元では市・郡名からこの地域を「八西(はっせい)」と呼ぶ。

八西の隠れた名品を掘り起こし、地域の魅力を全国に発信するため、四国電子会社の伊方サービス(同町)が4月、「四国のしっぽ」と銘打った通販サイトを開設。第1弾として川亀酒造(八幡浜市)のオリジナル銘柄「八西」を発売した。

純米大吟醸酒(720ミリリットルで税別3000円)と特別純米酒(同1300円)があり、純米大吟醸はフルーティーな香りと上品なうま味で白身魚など淡泊な料理に合うという。720ミリリットル換算で1200本を年間販売目標にしていたが、発売1カ月で800本を出荷、一時品切れになった。

八幡浜市の地酒をオリジナル銘柄「八西」として売り出す

八幡浜市の地酒をオリジナル銘柄「八西」として売り出す

伊方サービスの担当者は「地酒をきっかけに、瀬戸内のアジやサバなど八西の食材にも興味を持ってもらえれば」と期待する。今回は川亀酒造の地酒「川亀」をベースにしたが、来年からは仕込みに地元産の原料を使うなど正真正銘のオリジナル銘柄を目指す。

地酒に続き5月から愛媛産の旬の柑橘を使用し人気のマーマレード店「ニノズ・コンフィチュール」(伊方町)の商品も扱っている。「ゆず&生姜(しょうが)」は、世界から寄せられた約3000本を品評する英国の「世界マーマレード・アワード2018」で最高金賞を受賞した。

愛媛の柑橘を使用した「ニノズ・コンフィチュール」のマーマレード

愛媛の柑橘を使用した「ニノズ・コンフィチュール」のマーマレード

同店は皮むきから瓶詰めまで手作業で行う。河内晩柑や甘平など季節に応じた商品を用意する。

伊方サービスでは魅力的な地場産品の発掘とともに販路の開拓にも取り組む。四国への観光客の玄関、JR高松駅や高松空港などの土産物店での扱いを働きかけ八西の認知度向上、産品のブランド化を目指す。

原子炉定検減り通販サイトの重み増す


 伊方サービス(愛媛県伊方町)は伊方原子力発電所の保守管理のため1995年に設立された。約230人の従業員の9割超は南予地域など地元出身だ。四国電力のほか地元の漁協などが出資しており、地域活性化はかねて主要業務の一つだったが、1、2号機の廃炉でその重要性が増すことになった。
 原発は原子炉ごとに13カ月に1度、定期検査があり、伊方原発では定検ごとに約2500人の関係者が携わる。廃炉により定検の頻度は3分の1になり、伊方サービスの業務も縮小。こうした関係者の滞在を見込んだ飲食店や宿泊施設が多い八西地域にも深刻な影響を与えかねない。
 同社の2018年3月期の売上高28億6000万円のうち9割を保守管理部門が占める。残り1割の物品部門の「主力事業」として地元産のミカンジュースなど自社商品を扱っていた通販サイトの刷新、拡大による新たな収益の柱造りは、雇用維持と地域発展のカギを握る。(棗田将吾)

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