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全米オープン、ウッズに「完璧なゴルフ」再現期待
ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

2019/6/5 6:30
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6月13日から、米カリフォルニア州のペブルビーチ・ゴルフリンクスで男子ゴルフの第119回全米オープンが開催される。

米国において、もっとも全英オープンに近い雰囲気を感じられるとしたら、このペブルビーチ・ゴルフリンクスで行われる全米オープンではないか。太平洋に面した海沿いのコースは、全米でも有数の美しさを持ち、多くのゴルファーにとって憧れ。ゴルフの聖地と呼ばれるスコットランドのセントアンドリュース・オールドコースで「いつかはプレーしたい」というゴルファーが少なくないように、ペブルビーチ・ゴルフリンクスも世界中のゴルファーにとって特別であり続けている。

さて今回、その特別な舞台で行われる全米オープンにふさわしい、見どころがそろった。なんといってもその一つは、タイガー・ウッズ(米国)の復活だろう。

今年の全米オープンゴルフはウッズが19年前に圧勝したペブルビーチ・ゴルフリンクスを舞台に行われる=共同

今年の全米オープンゴルフはウッズが19年前に圧勝したペブルビーチ・ゴルフリンクスを舞台に行われる=共同

今からもう19年も前のこと。ウッズは2000年に同コースで行われた全米オープンで圧勝した。4日間ともオーバーパーはなく、3日間で60台をマークしている。4日間通して、ボギーがわずか7個。最後の26ホールはボギーがなく、初日から一度もリードを譲らず、通算12アンダーで優勝した。2位が3オーバーだったため、15打もの差がついた。

もしも完璧なゴルフというものがあるなら、あのときのウッズのゴルフを形容するのだろう。彼自身、後に「ペブルビーチであれだけ完璧な4日間を過ごせたのは初めて」と話していたが、次元の違うゴルフを見せられ、ファンらは熱狂するというより、信じられない、という表情でウッズを見守った。

ゴルフの神から祝福されたウッズ

もちろん、一緒に戦った選手らも言葉を失った。1997年のマスターズでもウッズは2位のトム・カイト(米国)に12打差をつけて圧勝したが、全米オープンのより難しい設定での独走。あのとき、ウッズ以外、誰一人としてアンダーパーをマークできなかったのである。ウッズは間違いなく、あの年の全米オープンで、ゴルフの神から祝福された。

そのウッズが2009年のスキャンダル発覚以来、故障なども重なってすっかり精彩を欠いたのは知られた通り。しかし、今年のマスターズで劇的な逆転優勝を果たすなど、復調してきた。そういう状況で臨む全米オープン自体が久々だが、モノクロだった19年前の記憶に今、鮮やかな彩りが加わった。再現を期待する空気が大会を支配する。

同時に、歴史の誕生を期待する声も高まっている。過去2年、ブルックス・ケプカ(米国)が全米オープンで連覇を成し遂げたが、3年連続となれば1903年から05年にかけてウィリー・アンダーソン(英国)が達成して以来の快挙だ。

全米プロを連覇したケプカは全米オープンでは100年以上達成されていない3連覇に挑む=共同

全米プロを連覇したケプカは全米オープンでは100年以上達成されていない3連覇に挑む=共同

これまで、アンダーソン以外で全米オープンを連覇したのは、ジョン・マクダーモット(11、12年)、ボビー・ジョーンズ(29、30年)、ラルフ・ガルダール(37、38年)、ベン・ホーガン(50、51年)、カーティス・ストレンジ(88、89年=すべて米国)の5人。しかし、いずれも3連覇はならなかった。

ケプカは、その100年以上、誰も肩を並べられなかった記録に挑むわけだが、彼は数週間前に全米プロ選手権を連覇したばかり。また出場した過去8試合のメジャー大会で4勝を挙げており、好調な状態を維持したまま全米オープンを迎えようとしている。

もちろん、他にも見どころはある。

現在、世界ランキング2位のダスティン・ジョンソン(米国)は過去、ペブルビーチ・ゴルフリンクスで行われたAT&Tペブルビーチ・プロアマで2勝を挙げている。また、フィル・ミケルソン(米国)は今年2月のAT&Tペブルビーチ・プロアマで優勝し、ペブルビーチ・ゴルフリンクスでは5勝目を挙げるなど、相性の良いコースだ。イタリアのフランチェスコ・モリナリにも注目したい。正確なショットで昨年の全英オープンを制した彼は、今年のマスターズでも後半にダブルボギーをたたくまでは安定したゴルフで首位を走っていた。

前週のメモリアル・トーナメントで優勝したカントレーは勢いに乗って全米オープンに臨む=AP

前週のメモリアル・トーナメントで優勝したカントレーは勢いに乗って全米オープンに臨む=AP

ダークホースといえるのが、パトリック・カントレー(米国)。前週行われたメモリアル・トーナメントでは、最終日に4打差を逆転して優勝したが、勝つべくして勝ったともいえる。アマチュアの頃から注目された逸材。カリフォルニア州出身の彼は、2011年に全米オープンのローアマとなり、12年のマスターズでもローアマを獲得した。

その後、故障やキャディーを務めていた親友を亡くすなど不運に見舞われたが、今年のマスターズでは9位タイに入り、5月の全米プロ選手権では3位タイに食い込んだ。また、18~19年シーズンは米ツアーの公式大会14試合で、メモリアル・トーナメントでの優勝を含めると、トップ10に8回も入っている。今季初勝利は時間の問題だった。その安定したゴルフを続けるカントレーが、いよいよメジャー大会でも頂点に立つのか。勢いは十分だ。

もちろん、日本の松山英樹もメモリアル・トーナメントでは6位に入り、3日目に64をマークするなど、久々にいいゴルフを見せた。彼もまた調子を上げており、全米オープンでは楽しみな存在といえそうだ。

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