2019年8月25日(日)

FRB高官「近く利下げも」 米景気に警戒感強める

トランプ政権
2019/6/4 5:25
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【シカゴ=河浪武史】米セントルイス連銀のブラード総裁は3日の講演で「米経済は減速懸念が強まっており、近く利下げが正当化されうる」と述べた。米連邦準備理事会(FRB)は2019年に入って利上げを休止しているが、高官が早期の利下げ論に言及するのは初めて。企業の景況感が弱含み始めており、FRB内に「予防的な利下げ」(クラリダ副議長)を模索する動きがある。

セントルイス連銀のブラード総裁=ロイター

ブラード氏は金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)で、19年中の投票権を持つ。同氏の発言を受けて、先物市場では年内の利下げを予測する割合が98%まで高まり、6月中旬の次回会合での利下げも37.5%の割合で織り込んだ。市場は催促相場の様相を強めるが、パウエルFRB議長も4日に講演する予定で、政策見通しにどこまで言及するかが焦点だ。

ブラード氏は金融引き締めに慎重な「ハト派」として知られる。3日のシカゴでの講演では「国際的な貿易制度の不確実性で、景気減速のリスクが高まっている」と述べ、トランプ米政権が仕掛ける中国やメキシコへの関税政策に強い懸念を示した。景気後退を懸念する金融市場では長短金利の利回り差が逆転。ブラード氏は「現在の政策金利が不適当に高いことを示唆している」と指摘し、金融緩和へと政策転換する可能性を強調した。

ブラード氏は物価上昇率の停滞にも懸念を表明し、利下げの時期について「景気減速懸念への備えとして、金利引き下げが近く正当化される可能性がある」と明言した。FRB内ではクラリダ副議長らも「景気減速のリスクが強まれば緩和的な政策を講じる」などと主張してきたが、ブラード氏は早期の利下げ論に踏み込んだ。

FRBは18年12月に利上げに踏み切って以降、金融政策の変更を見送っている。5月のFOMCでは「利上げ、利下げとも政策金利を動かす必然性はない」(パウエル議長)と当面は様子見する姿勢を強調していた。ただ、泥沼の貿易戦争で製造業の景況感指数が弱含み始めるなど、米景気の先行き不安が強まっており、FRBの政策判断も転換点を迎えつつある。

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