2019年7月24日(水)

シャオミが組織再編、中国国内事業立て直しへ

36Kr
コラム(テクノロジー)
2019/6/5 16:00
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スマートフォンを中心とした電子製品メーカー、小米(シャオミ)が5月17日、組織再編と新人事を発表した。昨年7月に香港に上場して以来、6回目の再編となる。今回の新人事によって、創業者の雷軍・最高経営責任者(CEO)が中国地区総裁に就任し、中国国内事業の開拓と組織管理を直接手がけることになる。

この人事は、中国国内市場を死守せんとする同社の決意の表れだろう。同時に、同社が中国国内市場で苦戦していることも示している。2016年の低迷期にも、雷CEOが製品開発やサプライチェーン管理で自ら陣頭指揮を執った経緯がある。

小米の北京市内の店舗(5月20日)

小米の北京市内の店舗(5月20日)

直前まで中国地区事業部を統括していたのは、シニアバイスプレジデントも兼任する王川氏。シャオミは昨年12月、販売およびサービス部門を中国地区事業部に再編した。同事業部は製品事業部と連携を取りながらさらなる中国国内市場の強化を目指している。

王氏は今回、新設された家電事業部の総裁に就任した。テレビを除くエアコン、冷蔵庫、洗濯機など白物家電事業の開拓と組織管理を行う。王氏は以前にテレビ事業部を統括したこともあり、家電関連での経験を買われた形だ。

2019年第1四半期のシャオミ製スマートフォンの全世界出荷台数は公称2750万台超。前年同期の2780万台から微減した。市場調査会社カナリスやカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチも前年同期比1%減と同様の数字を出している。

一方、IT専門調査会社IDCの調べでは、同社の出荷台数は前年同期比10%減となる2500万台にとどまり、同50%増を記録したファーウェイ(華為技術)の5910万台を大きく下回っている。

シャオミの出荷台数の低迷は、主に中国国内市場での減速によるものだ。同社の中国国内向け出荷台数はすでに3四半期連続で下げ幅が2桁となっている。カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの調べでは、今年第1四半期の同社の中国国内出荷台数は前年同期比21%減。中国のスマホ大手4社(ファーウェイ、シャオミ、OPPO、vivo)の中で唯一、減少している。ファーウェイは同29%増、vivoは同17%増、OPPOは同7%増だった。

これら大手4社の出荷台数の半数近くは中国国内市場に向けたものだ。シャオミは過半数を海外市場向けに出荷しているものの、売上高や利益では依然として中国国内市場に依存しており、中国国内市場を軽視することはできない。

また、中国国内市場は同社にとって最も過酷な戦場だ。価格競争が過熱するとともにトップメーカーが市場シェアの9割以上を占める中、2018年は残りの数%を大手4社で争ったが、今年は彼ら同士の直接対決となるだろう。

さらに、OPPOとvivoが相次いでサブブランド「Realme」「iQOO」を立ち上げたことで、大手4社のサブブランドがそろった。こちらでも激しい戦いが待ち受けているだろう。

これまでも、そして現在も「コストパフォーマンス」を最大のウリとしているシャオミは、技術、製品、ブランドのいずれをとっても特段の強みを持っているとは言えない。ミドルレンジ~ハイエンド製品ではやや競争力に欠けると言ってよいだろう。国内向け出荷が低迷する中、再び雷軍CEO自らが国内事業のトップに立つということは、本気でテコ入れを行い、トップメーカーの座を守ろうとする決意だと見られる。

2016年の低迷期には同じく雷CEOが陣頭に立って海外市場を切り開き、見事に業績を立て直した。今回、再び奇跡を起こすことはできるだろうか?

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中国語原文はこちら(https://36kr.com/p/5205806)

 日本経済新聞社は、中国をはじめアジアの新興企業の情報に強みをもつスタートアップ情報サイト「36Kr」(北京市)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップやテクノロジーに関する日本語の記事を、日経電子版に週1回掲載します。

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