熊本地震で被災の中小零細企業、診断士ら専門家が支援

2019/6/3 16:09
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熊本県商工会連合会(笠愛一郎会長)は3日、熊本地震で被災した中小・零細企業に専門家を派遣する「熊本県復興経営サポートオフィス」を同県益城町に開設した。県の事業を受託した。「グループ補助金」の活用で県内事業者の施設の復旧が一段落した中、新たに販路と業績を拡大する道筋を示す。

熊本県商工会連合会の笠会長(右)は「事業者の復活を目指す」と話した(熊本県益城町)

「プッシュ型の支援で顧客の創出と事業者の復活を目指す」。県商工会連合会の笠会長はサポートオフィスの開所式で強調した。オフィスには4人の中小企業診断士のほか、金融や製造業、経営支援の専門家3人が待機する。県内49の商工会、同連合会が4カ所に設けた「特任支援室」や熊本商工会議所など9会議所や金融機関と連携。被災で業績回復に悩む経営者らを重点的に支援する。

企業を個別訪問し、各事業所の環境分析や本来あるべき姿の設定、経営課題を抽出する。補助金や金融支援、専門家派遣などの支援策の中から有効なのを組み合わせ、寄り添いながら、経営の再建を目指す。

厳しい経営環境の中でも成長している県内企業のビジネスモデルや知識・経験を研究し、他の企業に応用するための方策も探る。関係機関とは情報を共有する。

熊本地震後に国と県が設けた「グループ補助金」は4861件、1338億円分の交付が決まっている(5月末時点)。工場や店舗、設備の復旧にかかる費用のうち最大4分の3を助成する手厚い支援で、移動棚を製造する金剛(熊本市)の田中稔彦社長は「傷んだ設備を復旧させるため、とても有効だった」と話す。

施設の復旧を果たした後も課題は多い。グループ補助金の交付対象に熊本県が18年末に行ったアンケート調査では、3668者のうちの38%が「地震の前より売り上げが減っている」と回答した。「顧客の喪失」、「事業を回復していない」という理由が多かった。

設備は直っても、失った顧客を取り戻すには時間や手間がかかる。補助金では補いきれない役割をサポートオフィスが担うことになる。(熊本支局長 佐藤敦)

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