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「もっと速く」女性初V狙う ライダー・中山愛理(上)

高速で直線を駆け抜けたマシンがコーナーでぎりぎりまで車体を傾ける。いつブレーキをかけるか、スロットルをどこで全開にするか。わずかな操作ミスによる100分の1秒、千分の1秒の差で勝負が決まることも少なくない。中山愛理(21)はそんな刹那の世界に魅せられてきた。

オートバイの全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラス。250cc単気筒のエンジンで争われるこのクラスが中山の主戦場だ。トップスピードこそ大排気量クラスのマシンに劣るが、コーナリングではそれをもしのぐ速さを見せる。操るのは一部を除けば同じホンダのレース専用バイク。レースは抜きつ抜かれつの展開が繰り返される。

ロードレースは男女が同じ条件で勝負する。車体が重く、パワーの大きな大排気量クラスでは筋力の劣る女性の不利は否めないが、よりテクニックが要求されるJ-GP3なら勝機もある。中山も「女性だという意識はあまりない。ただ1番になりたい、もっと速く走りたい」。

4月の開幕戦で2位、積極的な走りで自身初の表彰台に上がった

4月7日、ツインリンクもてぎ(栃木県)での今季開幕戦。中山は予選で積極的な走りを見せた。トップから0秒083差の2位。決勝はトップから離されたものの、「苦手」という混戦を抜け出て2位でゴールを走り抜けた。「自分もうれしかったけれど、サポートしてくれた人は本当に喜んでくれた」という自身初の表彰台は、女性としては公式記録は残っていないが26年ぶりと話題になった。

もともと一発の速さには自信があった。予選やテストでは3位以内に入ることもしばしば。ただ、10代の頃は勝ちたい気持ちが空回りした。レースになると「突っ込みすぎて」減速するのが遅れたりするなど細かなミスがでてしまう。「気持ちに余裕がなく、欲をだしては転倒していた」

気持ち変化「無理に先頭走らなくても」

そうした気持ちが変化したのは一昨年のこと。「一度、落ちついてみよう」と他のカテゴリーのレースに主戦場を移した。よりパワーのあるマシンのレースを経験することで「無理に先頭を走らなくてもいい」と切り替えることができた。

2年ぶりにフル参戦を果たした昨季は前半戦こそ苦戦したものの、9月の岡山国際サーキットで開催されたレースの予選では初のポールポジションを獲得。今季開幕前のテストでもトップタイムをマークするなど好調を維持してきた。

開幕戦に続き、5月26日にスポーツランドSUGO(宮城県)で行われたレースは予選4位で決勝6位。2戦を終えて総合3位につける。「今季は総合3位以内、そして女性で初になるという優勝をしたい」=敬称略

(馬場到)

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