2019年9月17日(火)

日産がカナダ社と提携、EVで太陽光余剰電力を蓄電

2019/6/3 16:00
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日産自動車とカナディアン・ソーラー・ジャパン(東京・新宿)は5月31日、住宅の太陽光発電電力を、日産の電気自動車(EV)「リーフ」に貯められる「V2H」システムの販売で協業すると発表した。「V2H」は通常、蓄電池を使ってためた電気を家庭で使うシステムだが、リーフを蓄電池代わりに使用する。

日産の小塚部長(右)、カナディアン・ソーラー・ジャパンの山本社長(左)(出所:日経BP)

日産の小塚部長(右)、カナディアン・ソーラー・ジャパンの山本社長(左)(出所:日経BP)

カナディアン・ソーラー・ジャパンは、太陽光パネル大手カナディアン・ソーラーの日本法人。今回のシステムでは、同社による住宅用の太陽光発電・蓄電システム「SOLIEV(ソリーブ)」を活用する。太陽光の余剰電力を定置型とEVの二つの蓄電池にため、かつ、どちらの蓄電池からも送電できる。

これによって、EVを「電気で走る自動車」から、「走る機能も持つ蓄電池」という位置付けに変え、太陽光の自家消費量を増やせるという。

こうした使い方は、企業の事業所などにおいて、より効果的となる。今後、住宅だけでなく、企業向けにも対象を拡大する可能性があるとしている。

太陽光発電電力を住宅内とEVの両方の蓄電池にため、両方の蓄電池から電力を使うことができる(出所:日産自動車、カナディアン・ソーラー・ジャパン)

太陽光発電電力を住宅内とEVの両方の蓄電池にため、両方の蓄電池から電力を使うことができる(出所:日産自動車、カナディアン・ソーラー・ジャパン)

日産の日本EV事業部の小塚功子部長によると、これまで「リーフ」は、移動する手段としての価値を評価する顧客に対して販売してきた。今回の取り組みは、蓄電池としての価値、走っていない時に生まれる価値を提供する大きな一歩としている。

「リーフ」が搭載する40キロワット時(kWh)の蓄電池は、家庭用としては大きな容量で、「蓄電池兼自動車」として使うことで、費用対効果が大幅に高まる可能性もある。

日本の平均的な住宅における1日当たりの電力消費量は、約10kWh。「40kWh」という蓄電池容量は、災害時などに3日間以上、住宅の電気を賄える。加えて、日中に太陽光の電力をためることで、住宅太陽光の自家消費量を増やす仕組みになると、日産の小塚部長は強調している。

今回のシステムは、カナディアン・ソーラーの太陽光パネルのほか、ニチコンのパワーコンディショナー(電力変換装置)や蓄電・制御システム、さらに、オプションで用意しているEV用の充放電システムを加えた構成になっている。

それぞれのシステム間は、すべて直流で送電し、住宅内の機器で使うまでは交流に変えないので、直流・交流間の変換ロスが少ない。

今回の協業では、両社の販売店で今回のシステムを紹介する。「リーフ」とカナディアン・ソーラーのシステムを合わせて購入した顧客には、同社が一定額をキャッシュバックする。

日産、カナディアン・ソーラー・ジャパンそれぞれの販売店において、お互いの商品を「紹介」することにとどめるのは、それぞれの商品の専門性が高いことに配慮したという。

日産によると、もし日産の販売店でカナディアン・ソーラーのシステムを販売する場合、顧客の住宅に合わせた太陽光発電システムの選定が必要になる。屋根の面積や向き、生活スタイルなどにあわせて提案する必要などを考えると、自動車の販売代理店で対応するには限界があるという。

カナディアン・ソーラー・ジャパンの山本豊社長によると、今回のシステムは、各販売店の戦略によって価格は異なるものの、同社が定める希望小売価格は、出力6kWの太陽光パネルを導入するモデルの場合、約300万円が目安になるとしている。

「リーフ」は、EV専用車体による世界初のEV量産車として2010年に発売され、国内販売台数は10万台を超えた。19年には3万台の販売を計画しており、そのうち5~10%を、カナディアン・ソーラー・ジャパンのシステムの購入につなげられればとしている。

(日経BP総研クリーンテックラボ 加藤伸一)

[日経 xTECH 2019年6月2日掲載]

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