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ヤクルト、勝つ難しさ実感 連敗を糧に巻き返しへ

ようやくヤクルトの連敗が止まった。6月2日、横浜スタジアムでのDeNA戦。九回裏2死三塁で4番手投手の梅野雄吾がDeNAの柴田竜拓を遊ゴロに仕留めると、ナインの表情に自然と笑みが浮かんだ。5月12日以来、実に3週間ぶりの勝利に、いつもより派手なハイタッチを交わす。小川淳司監督も「ホッとしたというのが正直な気持ち。(この3週間)何とかして連敗を止めたいという思いだった」とかみしめるように言葉を口にした。

6月2日のDeNA戦で連敗を16で止め、タッチを交わすヤクルトナイン=共同

1日、DeNAのルーキー上茶谷大河の前にわずか4安打に封じられて今季8度目の零封負けを喫した。16に伸びた連敗は1970年以来、49年ぶりの屈辱。2日も負ければ、自らが持つセ・リーグ記録を更新し、日本記録の18(ロッテ、98年)にあと1と迫るところだった。それだけに観戦した衣笠剛球団社長兼オーナー代行も「ワースト記録の更新だけは避けたかった。きょう勝って交流戦に入っていきたかった」と安堵の表情を見せた。

今季の出だしは悪くなかった。開幕カードの阪神戦こそ、1勝2敗で負け越したものの、その後は4カード連続で勝ち越し。一時は首位にも立った。大型連休中に組まれた12連戦も6勝5敗1分けで切り抜け、休養日を挟んでの巨人との3連戦も2勝1敗。16連敗する前は貯金5で2位につけていた。

先制許し、追いかける展開で苦しく

歯車が狂い始めたのは、5月14日のマツダスタジアムでの広島戦で原樹理が五回途中6失点と打ち崩され4-9で敗れてから。4度目のトリプルスリーを狙う山田哲人、過去8年で7度30本塁打以上を放っているバレンティン、そして才能を開花させつつある19歳の村上宗隆がそろうクリーンアップは破壊力十分なのだが、どうにも先発陣が踏ん張りきれない試合が続いたのが大きく響いた。

6月1日にプロ初登板で先発した新人・清水昇が二回に一挙5点を失ったのをはじめ、連敗中は13試合で先制点を許した。チーム防御率もセ・リーグ6球団の中で唯一4点台の4.69。チーム得点246、チーム本塁打63はともに巨人に次ぐリーグ2位なのだが、毎試合のように追いかける展開を強いられていては苦しかった。

DeNAに勝利して連敗を16で止め、3勝目を挙げた原(右)を笑顔で迎えるヤクルト・小川監督=共同

その意味でも初回に34歳のベテラン大引啓次の3点二塁打で先制し、二、三回にバレンティンのソロなどで加点した2日の試合は理想的な展開だった。中4日で先発した原も6回2/3を5安打でロペスのソロによる1点だけと奮闘。自らのふがいない投球から始まった連敗を止める役割を果たし、「気持ちに投球がついてきた」と充実感を漂わせていた。

もちろん、連敗を止めただけでは何も変わらない。借金10の最下位という厳しい現実が目の前にある。ただ、チームリーダーの青木宣親は「こんな連敗は初めて。1勝が遠かった」と正直に打ち明けた上で「野球は一つかみ合わないとこういうことが起こり得る。チームスポーツの難しさ、勝つことの難しさを感じた。それを糧にして僕を含めて今後に生かしたい」と続けた。

幸いシーズンはまだ半分以上の87試合も残っている。4日からは交流戦が始まり、しばらくはセのライバルとの試合もない。例年、セの各球団にとっては分の悪い交流戦だが、昨季のヤクルトは12勝6敗の好成績を残し、最高勝率球団の栄誉を手にしている。小川監督は「一戦一戦、一球一球に集中して戦いたい」と前を見据え、原は「この1勝で流れが変わると思う」という。ヤクルトは交流戦を巻き返しの場とできるだろうか。

(馬場到)

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