横浜シーサイドライン、始発から運休 再開メド立たず
逆走事故、鉄道事故調が原因調査

横浜市の新交通システム「シーサイドライン」の車両が逆走して車止めに衝突、14人が負傷した事故の影響で、シーサイドラインは2日も始発から全線で運休が続いた。2日午前9時半現在、再開の見通しは立っていない。事故の発生した新杉田駅(横浜市磯子区)では同日午前から、運輸安全委員会の鉄道事故調査官が現地での調査を再開した。コンピューター制御で自動運転されていた車両の事故原因の解明が本格化する。
事故は1日午後8時15分ごろに発生し、シーサイドラインは新杉田駅と金沢八景駅(同市金沢区)を結ぶ全線で運行を休止した。神奈川県警は当時の事故の状況を調べ、業務上過失傷害容疑も視野に入れ、捜査する。
事故から一夜明けた2日午前9時前、運輸安全委員会の鉄道事故調査官らが新杉田駅に到着した。今後、現場に残っている事故車両などの内部を詳細に調査する。運営会社の本社などにも調査に入り、運行管理システムなども調べるという。

県警などによると、事故を起こした5両編成の車両は始発の新杉田駅でドアが閉まって出発しようとしたところ、時速約6キロで約25メートルを逆走し、駅構内の車止めに衝突した。
運営会社が2日未明に開いた記者会見では、事故原因を調査中とした上で、事故車両を5月30日に目視で点検した際、ブレーキなどに異常は見られなかったとしている。
事故について日本大の綱島均教授(鉄道工学)は「指令所から運行状況を目視で確認する以外、基本的に自動運転でありシステムに何らかの問題があった可能性が高い」と指摘する。「逆走での事故は例がなく、運行を管理するシステムと車両の間の指令のやり取りなどの解析が事故原因を突き止める上での鍵になるのではないか」と話している。