無人運行の横浜「シーサイドライン」逆走、14人けが
6人が骨折などの重傷
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1日午後8時15分ごろ、横浜市を走る新交通システム「シーサイドライン」の新杉田駅(同市磯子区)で無人運転の車両が逆走し、車止めに衝突する事故が起きた。神奈川県警磯子署によると乗客14人が負傷、うち6人が骨折などの重傷で、いずれも命に別条はない。同署は詳しい事故の状況を調べ、業務上過失傷害容疑を視野に捜査する。
車両はコンピューター制御の自動運転で、運輸安全委員会は同日、鉄道事故調査官を派遣し、事故当時の運行システムの作動状況などを調べる。国土交通省の担当者によると、新交通システムの逆走事故は過去に例がないとみられるという。
同署や運営会社によると、事故が起きたのは新杉田発並木中央行きの5両編成の車両で時速約6キロで約25メートルを逆走し、駅構内の車止めに衝突した。当時、車内に約30人が乗っていたという。
県警は当初、15人がけがで病院に搬送されたとしたが、2日午前、搬送された人のうち負傷者は14人と明らかにした。
事故後、駅には救急車が次々と駆けつけ、一時騒然とした。担架で運ばれる人が見られ、子どもの泣き声が響いた。運営会社によると、全線運休となり、再開の見込みは立っていない。
運営会社の三上章彦社長は2日未明に記者会見し、「けがをした人が出たことを真摯におわびする」と謝罪し、「原因は調査中」と述べた。
新交通システムは鉄道とバスの中間の役割を担う輸送システムで、空港内でターミナル間を結ぶ交通網などとしても使われている。専用軌道を走り、路面の交通状況に影響されない。シーサイドラインは、新杉田駅から金沢八景駅(同市金沢区)まで約11キロを結び、1989年に開業した。