2019年9月18日(水)

国立大の4割、合否判定に使わず 英語の民間試験

大学
2019/5/31 23:15
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2020年度に始まる「大学入学共通テスト」で導入される英語の民間試験について、国立大の4割に当たる35校が成績を合否判定に使わないことが31日わかった。難関大の多くは出願資格とするが、求める水準は中学卒業~高校中級程度とした。受験機会の公平性への懸念などから、本格的な活用に慎重になっている実態が浮かんだ。

英語民間試験の一つであるGTECはタブレット端末を使う

英語民間試験の一つであるGTECはタブレット端末を使う

文部科学省が学部を持つ国立大82校の5月13日時点の方針を調べた。「読む・聞く・書く・話す」の4技能を問う民間試験は英検やGTECなど8種類あり、79校が何らかの形で利用する。

合否判定に使わない35校のうち東京大、京都大などは語学力の共通の物差しである欧州言語共通参照枠(CEFR、セファール)の6段階中、下ら2番目のA2以上を出願条件にした。熊本大、金沢大、高知大などは最も下のA1以上で出願を認める。いずれも成績を点数化して合否に反映させることはしない。東北大など3校は民間試験を一切使わないとした。

難関大を目指す生徒にとってA1~A2のクリアは容易とみられる。A2は「簡単で日常的な範囲なら、単純で直接的な情報交換に応じられる」水準。英検準2級(高校中級程度)に当たり、高3の4割が同等の英語力を持つとされる。A1は同3級相当で中学卒業程度の英語力が目安だ。

民間試験の利用に慎重な大学が少なくない背景には、受験機会の公平性への懸念や英語が苦手な生徒への配慮がある。

東大は受験生の居住地や家庭の経済状況によって受験できる回数に差が出る可能性などを挙げ、「安心して受けられる体制ではない」と指摘。試験問題漏洩などのトラブルも危惧し、高校の調査書などによる英語力の証明でもよいとした。英語の能力は主に2次試験で判定するという。

岩手県の県立高校の校長は「利用できる試験の種類が少なく、会場も電車で1~2時間かかる。家庭によっては受験料の負担が重い。英語4技能は大切だが、民間試験を使うのは性急で妥当ではない」と指摘する。

一方、47校は民間試験の成績を点数換算し、共通テストの成績に加点するなどして活用する。筑波大は「グローバル化に備え4技能の習得は重要で、特に優れた人に加点する」と説明した。

初回の共通テストを受ける予定の東京都内の高校2年の男子生徒(16)は「出願資格だけなら民間試験の対策はあまりしなくてよさそうだが、加点方式なら早めに勉強する必要がある。志望校によって、どこまで本腰を入れるか変わる」と不安そうに話した。

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