ジブリパーク基本合意 愛知県など3者、22年秋開業へ

2019/5/31 14:20 (2019/5/31 17:29更新)
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愛知県とアニメーション制作のスタジオジブリ(東京都小金井市)、中日新聞社は31日、愛・地球博記念公園内(同県長久手市)で2022年秋の開業を目指す「ジブリパーク」に関する基本合意書を結んだ。パークの運営会社をジブリと中日新聞社が共同出資して設立する。3者は基本合意を機に、施設の詳細の検討を本格化させる。

記者会見するスタジオジブリの鈴木プロデューサー(左)と愛知県の大村知事(31日、愛知県庁)

愛知県が作成したジブリパークの全体像

ジブリパークのロゴ

ジブリの鈴木敏夫プロデューサーは同日県庁で開いた記者会見で、「テーマパークの要素を入れる。国内外の多くの人たちに喜んでもらえるよう頑張る」と抱負を述べた。大村秀章知事は「ハード面は(愛知県が)責任を持ってやっていく。万博の理念を継承して盛り上げたい」と語った。

合意書によると、愛知県がパークの事業主体として施設を整備し、ジブリが事業全体の企画監修などを担う。新設する運営会社がパークを管理・運営し、県が必要な行政上の許認可手続きをする。運営会社の設立時期や出資金額、出資比率は「決まっていない」(鈴木氏)としている。

3者は同日発表した基本方針で、(1)愛知万博の理念と成果の継承(2)ジブリ作品を伝え残し唯一無二の価値を付与(3)多様な利用者がともに楽しめる公園づくり――など5項目を掲げた。「国内外で親しまれるジブリ作品の世界観と都市公園の機能が結びつき、相乗効果が生まれることを目指す」(大村知事)という。

ジブリパークは、映画「耳をすませば」に登場する店舗「地球屋」を再現する「青春の丘エリア」、映像展示室や売店が入る「ジブリの大倉庫エリア」など5つのエリアを整備する。大倉庫など3エリアは19年度中に設計し20年に着工、22年秋の先行開業を目指す。体験学習施設が入る「もののけの里エリア」など残る2エリアはその1年後にオープンする。

この日の会見では総事業費や来場客数の見通しは「詳細設計によって決まってくる」(大村知事)として明かさなかった。3者は今後の協議で、構造物のデザインや遊具などを含む施設の詳細を固めていくという。

■観光振興に期待、「公園」で大人数収容
 愛知県のジブリパーク構想が実現に向け大きく動き出した。県とスタジオジブリ、中日新聞社の3者が31日、基本合意書を結んだ。多くの人が集う公園施設として整備するのが特徴だ。中部地方の中核的な観光拠点として期待が高まっている。
 「世界に冠たるジブリ。世界からお客さんがわんさか来てくれるんじゃないか。盛り上げていきたい」。大村秀章知事は31日の記者会見で、こう期待を込めた。
 ジブリ関連の施設では、2001年に東京都三鷹市などが設立した「三鷹の森ジブリ美術館」がある。細部までこだわった展示物、大人や子供が乗って楽しめるネコバスの展示が人気だ。開業から18年過ぎた今も1日当たり約2400人、毎年65万~70万人の来場者を集めている。
 今回のジブリパークは愛・地球博記念公園(同県長久手市)に、ジブリ作品をモチーフにした5つのエリアを整備する。「ジブリ作品の世界観を表現して伝え残す公園施設として整備する」のが特徴だ。大型テーマパークというより、散策できる公園というイメージが強い。施設の詳細や入場料などはまだ明らかになっていない。
 ジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「三鷹の森」と今回の施設について「規模がまるで違い、比較対象にならない」としたうえで、「美術館はアニメの色々なセットを楽しんでもらう。今回は公園で、こっちは大きい」と説明する。
 三鷹の美術館は収容人数に制限があることから完全予約制で、今もチケットは完売の状態が多い。広い敷地のあるジブリパークはより多くの人数が収容できるとみられ、さらに大きな観光振興効果を期待できそうだ。
 愛知県の17年の観光レクリエーション資源・施設利用者総数は1億5050万人だった。11年の東日本大震災による落ち込みから回復したが、愛知万博のあった05年(1億6621万人)には及ばない。県内では近年、レゴランド・ジャパン、新生御園座などの観光施設が次々と開業している。さらにジブリパークが加われば、観光振興の相乗効果も生まれそうだ。
 この日の記者会見の最後には、宮崎駿監督と鈴木氏が共同制作したというジブリパークのロゴマークも発表された。「ジブリらしくあろうとの思いを込めた」(鈴木氏)という。愛知にジブリの思いが根づくかどうか、コンテンツの詳細設計はこれからだ。
(小野沢健一)
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