2019年6月17日(月)

米、メキシコ全輸入品に追加関税5% 不法移民流入で

トランプ政権
北米
2019/5/31 8:47 (2019/5/31 9:35更新)
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は30日、国境の不法移民流入をめぐりメキシコの対策が不十分だとして、6月10日に同国からの輸入品すべてに5%の追加関税を課すと発表した。今後の対応次第では最大25%まで引き上げる。大統領選をにらみ、公約である不法移民対策で強硬姿勢を鮮明にした。メキシコに工場を持つ日本の自動車メーカーなどにも大きな影響を及ぼしそうだ。

メキシコ経由での中米からの不法移民の流入抑制は米国で関心が高い政策テーマだ。2016年の大統領選で当選したトランプ氏が選挙戦で、公約の一つにあげていた。

米国を脅かす非常事態に対応するため商業活動を規制する権限を大統領に与える「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき関税をかける。メキシコが対策を取らなければ7月1日に10%、8月1日に15%、9月1日に20%、10月1日に25%へと5%ずつ段階的に引き上げる。 不法移民の流入が減るまで最大25%の関税を維持する。メキシコが効果的な対策を取ったと判断した場合には関税を解除するという。

トランプ大統領は声明で現状を「緊急事態」だと主張。犯罪者や違法薬物が流れ込み米国人の生活に深刻な影響を及ぼしていると指摘し、メキシコに移民の北上を止めるなど対策を要請した。

米国のメキシコからの輸入は18年で3465億ドル(約38兆円)。自動車関連や電気製品、食料品が中心で、中国(5395億ドル)に次いで2番目に大きい。今回の関税の対象は、計2500億ドル分の中国製品に課している制裁関税の規模を上回ることになる。貿易摩擦が強まり、世界経済への悪影響が一段と広がる恐れがある。

トランプ氏はメキシコ国境を通って増え続ける不法移民の対策を看板政策に掲げてきた。2月には国家非常事態を宣言し、議会の承認を得ずに「国境の壁」の建設費を捻出した。だが足元では目立った効果がみえない。グアテマラやホンジュラス、エルサルバドルなど貧困や治安悪化に直面する中米諸国から米国を目指す集団が増えている。

米税関・国境取締局(CBP)によると、国境における4月の拘束者数は約10万人と前年同月に比べて2.6倍に膨らんだ。トランプ氏は十分な対策を取っていないとして、メキシコや米議会への不満を強めていた。

メキシコからの輸入のうち自動車関連が1281億ドルと4割弱を占める。米自動車大手のほか、トヨタ自動車日産自動車ホンダなど日本勢が米国市場に完成車を輸出している。メキシコ製の部品を米国に持ち込んで米国工場で組み立てることも多い。北米自由貿易協定(NAFTA)により条件を満たす製品は無関税だが、最大25%の関税がかけられればコストがかさみ企業業績にも影響が出る可能性がある。

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