2019年7月19日(金)

ブラジル、9期ぶりマイナス成長 1~3月 0.2%減
輸出・消費の不振響く

中南米
2019/5/30 22:35
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家具店が集まるショッピングモールは空き店舗が目立つ(サンパウロ)

家具店が集まるショッピングモールは空き店舗が目立つ(サンパウロ)

【サンパウロ=外山尚之】ブラジル地理統計院(IBGE)が30日発表した1~3月期の実質経済成長率は前期比で0.2%減と、9四半期ぶりのマイナス成長となった。企業の設備投資や輸出が低調なうえ、消費も振るわなかった。経済再生を掲げて1月に発足したボルソナロ政権だが、早々につまずいた形だ。

前年同期比でも0.5%増と、低成長にとどまった。ブラジル政府は22日、2019年の国内総生産(GDP)の前年比伸び率の見通しを1.6%と、従来予測の2.2%から下方修正した。

1~3月のGDPは家計支出が前期比0.3%増と、伸び率が昨年10~12月期から0.2ポイント縮小した。サンパウロ市内の家具店が集まるショッピングモールは空き店舗が目立つ。寝具販売店の店員は「来客数が減り、購入単価も下がっている」と話す。3月の小売売上高は前年同月比4.5%減と、2年3カ月ぶりの下落幅を記録した。

3月の失業率は12.7%と、約1年ぶりの高水準で、消費者は財布のひもをしめる。オランダ資本の卸売業の「マクロ」は全体の8%にあたる6店舗を閉鎖した。スペインの小売大手「ディア」も3月までの1年間で不採算店舗を中心に113店舗を閉じた。

輸出は前期比1.9%減と前期のプラスからマイナスに沈んだ。主要輸出先である隣国アルゼンチンの通貨危機で、3月の鉱工業生産指数は輸出企業を中心に前年同月比6.1%低下した。資源大手ヴァーレの保有する鉱山ダムの決壊事故に伴う鉄鉱石減産も響いた。設備投資など固定資本形成は、前期比1.7%減と2期連続のマイナスとなった。

ブラジルでは16年の憲法改正で、歳出の伸びをインフレ率以下に抑えるように定めている。機動的な財政出動は限られ、税収減に伴う歳出削減を強いられている。

ブラジル経済は資源価格の下落や政治混乱で15年から2年連続でマイナス成長に落ち込んだ。17年と18年はプラス成長に転じたが、両年ともに1.1%成長にとどまる。

国営企業の民営化や税制改革を掲げるボルソナロ政権の発足で本格的な回復が期待されてきたが、出足は鈍い。議会との摩擦で政策実現の期待は下がり、通貨レアルは対ドルで年初来高値から1割近く下落した状態だ。

外国企業の間でも、ブラジル事業を縮小する動きが相次いでいる。米フォード・モーターは2月、サンパウロの大型トラック工場を閉鎖し、同事業から撤退を決めた。スイスの製薬大手ロシュや米イーライ・リリーも工場閉鎖を発表した。

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