モンゴル国会議長 対中債務のわな「問題ではない」

アジアの未来
2019/5/30 18:23
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モンゴルのゴンボジャヴ・ザンダンシャタル国民大会議(国会)議長は30日、都内で開いた第25回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)で講演した。巨額債務の返済に行き詰まり中国から経済支配を受ける「債務のわな」が国際的な関心を呼んでいることを巡り、モンゴルの場合「対中債務は対外債務全体の10%以下で問題はない」と強調した。

「アジアの未来」で講演するモンゴルのゴンボジャヴ・ザンダンシャタル国民大会議議長(30日、東京都千代田区)

「アジアの未来」で講演するモンゴルのゴンボジャヴ・ザンダンシャタル国民大会議議長(30日、東京都千代田区)

同国は2017年に国際通貨基金(IMF)に支援を求めるなど経済は再建途上にある。隣国の中国が経済援助の増額などを通じてモンゴルへの影響力拡大を図っているとの見方が広がっている。

モンゴルはロシアと中国という2つの大国に挟まれている。中国が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」との連携については「中国の資源をモンゴル経由でロシアに運ぶなど大きな役割を果たせる」と述べ、一帯一路の関連事業への参画には意欲を示した。

米中貿易戦争について「新たな冷戦の時代を迎えている」との認識を語った。保護主義はグローバル経済の足かせとなると指摘し、「なるべく早い解決策を求めている」と述べた。

■新空港開港後、日本企業の進出加速に期待


 モンゴルでは新ウランバートル国際空港が2020年に開港する計画だ。新空港は日本の円借款で建設しており、三菱商事千代田化工建設が建設を請け負うなど日本との関係は深い。すでに滑走路や空港ビルは完成しており、空港カウンターは布で覆われている状態という。
 新空港開港にあわせてミアットモンゴル航空は成田―ウランバートルを増便するほか、関空便も復活する予定だ。現在のチンギスハーン国際空港は立地や気象条件の影響で、航空機の離着陸が制限され、欠航しやすい問題があった。
 新空港の開港で問題が解消されれば、モンゴルは日本企業が拠点を構える候補として現実味を帯びてくる。日本との時差が1時間しかなく、人口比当たりの日本への留学生数はモンゴルが最多なので、国民の日本語能力は総じて高い。
 外務省の調査によると、モンゴル進出の外資企業数は12年時点で219社だったが、17年には500社を超えた。企業側で期待がかかるのが工学分野だ。モンゴルでは14年、日本式の高等専門学校(高専)が開校。現地では「コーセン」で通じるほど浸透している。
電通の人工知能(AI)子会社、データアーティストは18年6月、IT(情報技術)人材の増加を見越して、ウランバートルに拠点を構えた。テレビ番組の視聴率をAIで予測するシステムを開発している。同社の山本覚社長は「時差や言語など別の国と意識することなく、まるで同じ空間にいるかのように仕事ができる」と話す。
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