2019年9月22日(日)

夏にもエボラウイルス搬入、専用施設稼働へ 感染症研
東京五輪へ検査体制強化

2019/5/30 16:23
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国立感染症研究所は30日、エボラウイルスなどの危険な病原体を扱える「バイオセーフティーレベル(BSL)―4」施設を村山庁舎(東京都武蔵村山市)で本格稼働する方針を地元との協議会で表明する。今夏にも最も危険性が高い分類となるエボラ出血熱などのウイルスを日本に初めて持ち込み、最新の研究に乗り出す見通しだ。東京五輪・パラリンピックの開催を念頭に危険な感染症への検査体制を強化する。

国立感染症研究所村山庁舎のBSL-4施設の内部(東京都武蔵村山市)=同研究所提供・共同

2014年の西アフリカでのエボラ出血熱の大流行をはじめ、命を脅かす感染症の脅威が増している。先進国を中心にこれらのウイルスへの対応策を研究するBSL-4施設が稼働しているが、日本はこれまで本格稼働している施設がなく対応が遅れていた。

感染研は18年11月に病原体の持ち込みを地元との協議会に提案していた。10回を超える協議会や説明会を実施し、「市民の方の理解が進んできた」(感染研)と判断した。

施設で研究するのは、エボラ出血熱やラッサ熱など、感染時に致死率の高い病気をもたらす「一種病原体」に分類されるウイルス。感染研の方針は厚生労働省が承認する見込みだ。

施設に運んだウイルスは検査法の開発に使う。感染が疑われる患者を簡単に診断する技術が求められているが、現在は人工的に合成した病原体の断片を研究に利用している。実際のウイルスを研究に使えれば検査の精度が高まる。

治療では、体内に病原体へ対処するための抗体と呼ぶ物質ができたかどうかを調べるにも実際のウイルスが必要になる。海外から多くの人が訪れる東京五輪の開催前に、危険な感染症に対する検査と治療の体制を整える。

国内ではBSL-4の施設は現在村山庁舎のみ。2例目の指定を受けた長崎大学の施設は建設中だ。海外では、20を超える国に約60施設があるとされる。

村山庁舎は1981年にBSL-4の基準を満たす実験施設として建設されたが、地元の反対から利用が見送られてきた。その後、14年から地元向けの説明会や協議会を開き、15年に正式に感染症法に基づくBSL-4施設として指定された。

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