早大とともに歩んだそば屋「三朝庵」振り返る展覧会

2019/6/1 6:00
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尾崎士郎や井伏鱒二ら早稲田大学にゆかりのある文人たちに愛され、昨年7月、112年の歴史に幕を下ろしたそば屋「三朝庵」の歴史を振り返る展覧会が同大の戸山図書館で開催されている。

のれんや看板、卓などを展示している(東京都新宿区の早大戸山図書館)

のれんや看板、卓などを展示している(東京都新宿区の早大戸山図書館)

実際に使われていた丼や、メニュー表、食券などが並ぶ。同図書館の藤原秀之担当課長は「三朝庵の歴史は早大の歴史と重なる。まだ新しいものでも今後貴重な歴史資料になりうる。今のうちに収集しておけてよかった」と話す。6月20日まで。

三朝庵は1906年、小石川後楽園でそば屋を営んでいた加藤朝治郎が、前身の平野庵を引き継ぎ、早稲田で開業した。1882年創設の早大(当時は東京専門学校)との縁は深く、創設者で地主でもあった大隈重信がひいきにした。大隈は地域との共生を大事にし、大学とともに店は歩んできた。「卵とじカツ丼、カレー南蛮発祥の店」とも言われている。

展示品のほか、「大隈家御用達」の看板や、早大総長であり大隈内閣で文部大臣を務めた高田早苗の書など数千点に及ぶ資料が寄贈されており、同大は今後の活用方法を探るとしている。藤原担当課長は「残された写真や帳簿は地域史を考える上でも、この時代の経済史を知る上でも価値がある」と話す。

なお三朝庵の跡には近くコンビニエンスストアが出店する。

(赤塚佳彦)

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