2019年6月18日(火)

シンガポール副首相、米中貿易戦争「誰の得にもならない」

アジアの未来
東南アジア
2019/5/30 15:22
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シンガポールのヘン・スイキャット副首相兼財務相は30日、国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)で講演し、米中貿易摩擦について「誰の得にもならない」と強調した。「米中は建設的な協力モデルをつくらなくてはならない」と両国に早期の歩み寄りを促した。国際秩序の確立に向けたアジアの役割の拡大も訴えた。

副首相は現状を「米中関係は解決策の見えない緊迫した状況に突入している」と分析した。「ほとんどのアジアの国は開かれた貿易や技術移転、投資を望んでおり、どちらの側にもつきたくないと考えている」と述べた。

そのうえで、米国に対しては「まずは新しい現実を受け入れることが出発点だ」と語った。「中国の台頭に適応しなければならない」と述べるとともに「中国と協力する以外の選択肢はなく、中国を外そうとすることは悪い結果をもたらすと受け入れる必要がある」と力を込めた。

一方、中国には「グローバルプレーヤーとして国際的な責任はさらに重くなる」とクギを刺した。「平和的な発展が世界を利するということを示さなければならない」と、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題などをけん制する姿勢を示した。

アジアの役割については「国際秩序の構築に、より大きな役割を持つことになる」と語った。

シンガポールは資源を持たない都市国家。世界の保護主義が高まる中で、自由貿易の枠組みを推し進める考えも強調した。日本やシンガポールなど11カ国が加わる環太平洋経済連携協定(TPP)については「素晴らしい成果だ。米国が抜けた後、旗振り役を担ってくれた日本に感謝したい」と評価した。米国や中国、その他の関心を持つ国にも「扉は開かれている」と話し、枠組みへの参加を呼びかけた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)が年内の妥結を目指す東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にも期待感を示した。今後の自由貿易の推進を巡っては「日本は米国の同盟国であり、中国との関係も重視している。さらに大きな役割を果たすことを期待したい」と述べた。

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