2019年6月19日(水)

マハティール首相「米中に自制求める」 アジアの未来
ファーウェイの技術「利用したい」

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北米
2019/5/30 11:53 (2019/5/30 18:36更新)
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アジアの政治・経済などについて討議する第25回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)が30日午前、都内で開幕した。マレーシアのマハティール首相は過熱する米中対立について「衝突は選択肢としてあってはいけない。完全な破壊は解決にならない」と述べ、両国に自制を求めた。米国が輸出を禁じる中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)について「技術を可能な限り利用したい」と語った。

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米中の覇権争いについて「世界にとって決して良いことではない」と指摘した。「2頭の大きな象に踏みつけられるのは草だ」との表現で、マレーシアを含むアジアは大きな影響を受けると訴えた。

南シナ海の軍事拠点化を進める中国に対して「戦争に発展すれば東南アジア全体が破壊される。南シナ海に戦艦が停泊するようなことがあってはならない」と自制を求めた。米国に対しても「戦艦を送る脅しのアプローチを使うべきではない」とけん制を抑制するよう主張した。

「すべての国が机の上での交渉で解決すべきだ」と提案した。「東アジアの平和のために一つのフォーラムが必要だ」として、地域間の対立を解消する新たな枠組みの必要性に言及した。

「新しい強力な中国を認識しなければならない」と、中国と向き合う必要があると強調した。「西側諸国は中国がいつか民主化すると思っているがそうではない。政権を変えようと強制してはいけない」とも述べた。

「お互いが良い関係を築けば、そこから変化が起きる。中国はオープンで開放的だ」との認識を示した。

さらに米中の技術面での覇権争いを念頭に「軍事分野でお互い兵器を開発するようなまねは金の無駄だ。完全に禁止すべきだ」と語った。

地域での紛争の歴史に触れ「独仏は何世紀も対立し戦争をしたが、過去に縛られていない。日中や日韓などでは過去の対立が今も続いている」と懸念を示した。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国が領土対立を乗り越えてきた過去にも言及し「現在は交渉で解決するという合意がある。だからこそ経済繁栄を享受できる」との主張を展開した。

1年前の首相就任時から公言しているアンワル元副首相への禅譲については、債務削減問題に取り組むことを理由に「実際の時期は決めていない」と述べ、明言を避けた。

■アジア首脳、貿易戦争への懸念強く

30日に開幕した第25回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)では、アジアの首脳から、米中貿易戦争の激化を懸念する声が相次いだ。両国の緊張を緩和し、アジアの安定を確保する手段として、新たな多国間の枠組みの構築を求める声が相次いだ。
 カンボジアのフン・セン首相は米中貿易戦争を念頭に「アジアと世界は前例のない危機に直面している」と述べた。今後両国の対立がさらに激化すれば「アジア諸国が過去、数十年間にわたって築いてきた成果を台無しにしてしまう」と危機感を表明した。
 米中による追加関税によって、最も悪影響を受けるのは両国の消費者だとも指摘し、両国に「ウィンウィンの解決策を見つけてほしい」と呼びかけた。「一国で生き残れる国はない」とも述べ、「大国だけでなく、途上国も参加する多国間の制度が必要だ」と協調した。
 バングラデシュのハシナ首相も米中貿易戦争が「最終的には世界的な貿易摩擦に転じる恐れがある」と話し、影響が周辺国へ拡大することに懸念を示した。「各国は革新的な取り組みを通じて連携を深める必要がある」と述べ、多国間協調が必要だとの考えを示した。
 「アジアの未来」は2日間の日程で、31日にはフィリピンのドゥテルテ大統領やラオスのトンルン首相による基調講演が予定されている。

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