158の研究で倫理指針不適合 国立循環器病研究センター

2019/5/30 11:30 (2019/5/30 12:30更新)
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国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は30日、2013年度以降の158件の研究で、倫理審査や患者の了解などに関し国の倫理指針で定められた必要な手続きを取らないまま患者データなどを研究に利用していた不適合事案があったと発表した。虚偽だとして論文2件は撤回される見通し。

センターによると、13年度と18年度に1件ずつ、内部の倫理審査委員会に計画書の審査を受けないまま実施した研究があった。センターは、成果を書いた論文に「委員会の承認を得たとの表現があり、虚偽に当たる」とし、著者らが掲載誌に撤回を要請した。

センターの研究者65人が責任者の計156件の研究では、委員会の承認は得ていた。だが直接連絡が取れなくなった患者から治療データを利用するのに必要な了解を得るために、どのような研究に利用するかをホームページなどに掲載する手続きをしていなかった。事案発覚後の今年2月に掲載し、今月30日現在、拒否の連絡はないという。

研究者の意識の欠如や研究者への周知が不十分だったとしている。いずれも診察時の症状や治療の結果などを利用しており、患者の健康への影響はないという。

論文撤回の要請を受けた13年度の研究者は退職、18年度の研究責任者は小児科の男性医師。2人は「先行研究で承認を得ており、新たな手続きが必要と思わなかった」としている。

手続きは、いずれも国が「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」で取るように定めている。センターは今後、研究対象になった患者に説明と謝罪をする。調査のために第三者委員会を設置し、関わった研究者の処分も検討している。〔共同〕

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