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ロシア疑惑「報告書が全て」、特別検察官の声明要旨

米司法省で会見するモラー特別検察官(29日、ワシントン)=ロイター
2016年の米大統領選にロシアが介入した疑惑を捜査したモラー特別検察官は29日、米司法省で開いた記者会見で用意した声明を読み上げ、質疑には応じなかった。発言内容は以下の通り。

2年前に当時の司法長官から特別検察官に就くよう依頼され、特別検察オフィスを設けた。任務は2016年の大統領選にロシアが関与していたかを捜査するもので、ロシア政府や個人の共謀を調べることだった。

捜査期間中、私は公に話すことはなかった。今日私が話すのは、捜査が完結し、司法長官が我々の捜査報告書の大部分を公開したからだ。我々は正式に特別検察オフィスを閉じ、私は司法省を辞めて一般市民に戻る。

我々の捜査結果について何点か述べたい。だが先に言っておくと、捜査報告書がすべてを物語っている。

どのように私の就任が決まったのかから説明したい。16年大統領選への干渉に関わっている。大陪審により申し立てられた起訴状にあるように、ロシア軍の諜報(ちょうほう)官が我々の政治システムに憂慮すべき攻撃をしかけた。起訴状は彼らが巧妙なサイバー技術を使い、クリントン陣営のコンピューターやネットワークに侵入したと主張している。

彼らは個人情報を盗み、その情報を偽のオンラインページやウィキリークスを通じてばらまいた。情報操作は我々の大統領選に時期を合わせ、選挙に干渉し、候補にダメージを与えるよう計画されたものだった。同時に、大陪審が別件の訴状で主張したように、米国人を装ったロシア人が運営する民間組織がソーシャルメディアを通じて選挙を妨害しようとした。

これらの訴追は有罪が確定していないため、我々は特定の被告に対し有罪か無罪かのコメントをしない。どの被告も有罪が確定するまでは推定無罪だ。

訴追の罪状、また報告書に書かれた行動は、我々の政治システムに干渉しようとした試みを説明している。これらを捜査し、十分に理解する必要があった。これが司法省が特別検察オフィスを設けた理由のひとつだ。

それは捜査妨害を調査した理由でもある。我々が捜査したのは最も重要な案件だ。尋問をしたすべての人から完全で正確な情報を得ることが重要だった。捜査対象者が捜査を妨害したり偽証したりすれば、真実を追究して悪意ある人物に責任を負わせるという政府の核となる取り組みを妨げるものだ。

捜査報告書について一言述べたい。報告書は調査依頼を受けた2つの部分から成り立っている。

第1部はロシアによる大統領選への干渉の詳細だ。これには、トランプ大統領の選挙陣営がこの行為にどう対応したかという議論や、広範な共謀罪で起訴するには証拠不十分だという我々の結論が含まれている。

第2部は大統領も含めた捜査妨害についての分析だ。特別検察官に任命されたことで捜査妨害に絡む行為の捜査が正式に認められた。この捜査を実施し、進行状況を司法長官に報告した。捜査報告書に記載した通り、捜査の結果、大統領が明確に罪を犯していないという確信があれば、我々はそう言っただろう。だが、我々は大統領が罪を犯したかどうかについての判断をしなかった。第2部の冒頭でその決定について説明している。

司法省の方針として、大統領が現職のうちは連邦犯罪で起訴することはできない。それは憲法違反に当たる。起訴を公にしない場合においても禁止されている。特別検察オフィスは司法省の一部であり、その規制下にある。大統領を罪に問うことは我々の検討の選択肢にはなかった。

大統領を告発しない方針について、司法省の意見書が重要なポイントを指摘している。報告書にまとめた内容のうち、2点について説明したい。

第一に、意見書は現職大統領への捜査をはっきり認めている。これは記憶が新しく文書が手に入る時に証拠を保全することが重要なためだ。これらの証拠は、現時点で起訴できる共謀者がいる場合に利用することができる。

第二に、意見書は現職大統領の不正行為の責任を問うためには、合衆国憲法によって刑事司法制度以外の手段を必要とすると指摘している。

司法省の方針以外にも、我々は公平性という指針に従っている。容疑に対し、裁判を通じた解決方法がない状況で犯罪の可能性を問うことは不公平だ。

以上が司法省の方針であり、これらの指針の元で我々は行動し、大統領が罪を犯したかについての判定を下さないことを結論づけた。

これが特別検察オフィスの最終見解であり、これ以外の結論や大統領に関する仮説についてはコメントしない。

独立した刑事捜査を行い、その結果を司法省の規定に沿って司法長官に報告した。そして、司法長官は我々の報告書を議会と米国民に提供することを適切だと結論づけた。

ある時点で、私は報告書の特定の部分を公表するよう要求した。司法長官は報告書の全体を一度に公表することを望んだ。我々は司法長官が報告書の大部分を公開したことを感謝しており、この決断について司法長官の誠意を疑っていない。

私は、このような形で話すのが今回で最後になることを希望している。私は自分自身でそう決断した。誰もこの件について話すことができるか、話すべきかどうかについて私に指示をしていない。

議会証言の議論も出ているが、特別検察オフィスからのいかなる証言も、我々の報告書の内容以上のものはない。報告書には我々の捜査結果と分析、判断理由が含まれている。我々は言葉を慎重に選び、報告書そのものが全てを語っている。報告書が私の証言であり、議会証言においても公開されている以上の情報を提供することはない。

加えて、我々の捜査結果へのアクセスは、特別検察オフィスとは無関係なプロセスで決まる。したがって、私がこの場で話したことや報告書の内容以外に調査について話すこと、あるいは司法省や議会の動きについてコメントすることが適切だとは思わない。私が今日、質問を受けないのもそのためだ。

この場を去る前に、弁護士や米連邦捜査局(FBI)の捜査官、アナリスト、公正で独立した調査を支えてくれたスタッフに感謝したい。彼らは特別検察官オフィスに2年近く在籍し、とても誠実だった。

私は、選挙干渉の複数の試みがあったという主張を繰り返して締めくくろうと思う。その主張は全ての米国民にとって注目に値するものだ。本日はありがとう。

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