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トランプ氏責任追及、議会に委ねる 米特別検察官

ロシア疑惑で見解

(更新)

【ワシントン=中村亮】2016年の米大統領選にロシアが介入した疑惑を捜査したモラー特別検察官は29日、司法省で声明を読み上げて「大統領を罪に問うことは検討の選択肢になかった」と述べた。司法省には現職大統領を起訴しない慣習があり、トランプ氏が捜査妨害をした疑惑をめぐり刑事責任を問うべきか判断を見送った理由と説明した。同氏の責任追及は議会が担うべきだとの考えを示した。

モラー氏が17年5月に特別検察官に就任してから疑惑捜査に関して公の場で発言するのは初めて。同氏は19年3月に捜査を終えて、トランプ氏の選挙陣営が大統領選でロシアと共謀した疑いを「シロ」、トランプ氏が疑惑捜査を妨害した疑いについて起訴すべきか判断を見送った。

モラー氏は捜査妨害の疑惑に関して「大統領が罪を犯していないとの確信があればそう言う。だがそのような結論に至らなかった」と述べた。「報告書そのものが全てを語っている」と指摘し、トランプ氏を「無罪」と断定できないとの考えを強調した。

一方、トランプ氏はモラー氏が声明を読み上げた直後にツイッターで「証拠不十分だ。疑惑は解決済みだ!」と主張した。サンダース大統領報道官も声明で「共謀も捜査妨害もなかったとの捜査報告書を超える内容はないとモラー氏が説明した」と指摘し、疑惑の幕引きを急ぐ考えを示した。

モラー氏はトランプ氏の責任を問うのは議会だとの見方もにじませた。「合衆国憲法は現職大統領の不正行為の責任を問うために刑事司法制度以外の手段を必要としている」と語った。モラー氏は連邦法に基づいてトランプ氏を起訴をできないが、議会は憲法に基づいて大統領弾劾を発議する権限がある。

一方、野党・民主党が求めている議会証言には応じない考えも示した。「すでに明らかになっていること以外に情報提供することはない」「捜査報告書が私の証言だ」などと理由を説明した。モラー氏は特別検察官の職務を近く正式に退き、ロシア疑惑を捜査してきたチームも解散する。

特別検察官 大統領や政府高官の不正疑惑を捜査するために司法省が任命する職。政権から独立した立場で中立的な捜査を行う目的がある。ニクソン元大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件のほか、クリントン元大統領と元ホワイトハウス研修生の不倫関係の捜査に関しても特別検察官が任命された。
 ロバート・モラー氏は17年5月に特別検察官に就任した。トランプ大統領の選挙陣営とロシアが大統領選で共謀した疑いやトランプ氏が疑惑捜査を妨げた疑いを捜査した。19年3月に捜査を終えて司法長官に報告書を提出した。
 モラー氏は12年間にわたり米連邦捜査局(FBI)長官を務めた経歴がある。共和・民主両党からの信頼が厚く、通常は10年の長官任期が延長された。モラー氏の特別検察官への就任を巡っては適任との見方が多かった。

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