離島にぎわい来場5割増 瀬戸芸春会期、伝説と相乗りも

2019/5/30 7:00
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香川、岡山両県の島々を舞台とするアートの祭典、瀬戸内国際芸術祭2019(瀬戸芸)の春会期が幕を閉じた。来場者数は38万人超と前回16年から5割増え、大島、女木島(ともに高松市)では2倍以上になるなど、会場となった離島はどこもにぎわった。希望した船便に乗れなかった来場者もあり、夏休み期間と重なる夏会期に向け課題も残した。

香川県の女木島は、前回の瀬戸芸と比べて来場者が倍に(4月27日)

香川県の女木島は、前回の瀬戸芸と比べて来場者が倍に(4月27日)

瀬戸芸の実行委員会が29日発表した春会期の来場者数は10会場合わせて38万6909人と前回の1.52倍となった。前回よりも会期が2日多く、初めての10連休となったゴールデンウイークと重なり天候にも恵まれた。開幕前から海外メディアで紹介されたことも相まって国内外から多くの来場者が集まり過去最高を更新した。

来場者が2倍超に増えた女木島は鬼が住んでいた「鬼ケ島」伝説という観光資源があり、アートとの関わりが薄いとの見方があった。しかし、「島の中の小さなお店」プロジェクトなど新作が人気で、島のゲストハウス、メギノを運営する目加田怜美さんによると「瀬戸芸と鬼ケ島を目当てに来る人が多かった」。

3月にオープンしたメギノには国内外からの来場者に加え、瀬戸芸のアーティストも多く宿泊した。カフェとしても営業しており、女木島に不足気味の飲食・宿泊施設を補う。宿泊者からメッセージを記したポストカードが後日届くなど、瀬戸芸を通じた出会いに心温まる一幕も見られた。

春会期の来場者数が好調となった一方で、混雑から希望の船便に乗れない問題も起きた。夏会期中のお盆休みに最も混雑が予想されることから、香川県の浜田恵造知事は27日の記者会見で「混雑予想カレンダーを参考にして、集中を避けて来場してもらえれば」と呼び掛けた。

会期外のにぎわい創出も課題の一つだ。実行委は会期外にも島でイベントを企画するなど手を打つ。女木島のゲストハウスは「メギノに行きたくて女木島に来た」と言われたことが励みになったという。アートや土地の魅力に加えて、瀬戸芸をきっかけに生まれた縁を育むことも重要になる。

ホテル増、国際便就航も後押し

 瀬戸芸春会期のにぎわいは離島に限らない。高松港周辺(高松市)でも来場者が3万8964人と前回より8割増えた。対岸の宇野港周辺(岡山県玉野市)でも2割増の1万1404人が来場した。
 高松では源平合戦の舞台で知られる景勝地の屋島(高松市)の山上に作品が設置されたほか、麓の四国村(同市)では初めて瀬戸芸の作品を展示した。高松市の大西秀人市長は14日の記者会見で「(屋島活性化の施策との)相乗効果として、屋島の明るい見通しにつながっていけば」と期待を示す。
 高松市内では18年7月にドーミーイン高松中央公園前、10月にJRクレメントイン高松、12月には「WeBase高松」と新たな宿泊施設が相次ぎ開業した。こうした来訪者の「受け入れ能力」の増強に加え、民営化した高松空港でのソウル便や台湾便など国際線の充実で訪日客の利便性が高まったことも瀬戸芸全体の来場者を押し上げる大きな要因となったようだ。(桜木浩己)
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