ハイフラックス、債務支払い猶予2カ月延長 約2200億円

アジアBiz
2019/5/29 21:00
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【シンガポール=谷繭子】経営難で再建の道を探るシンガポールの水処理大手ハイフラックスは29日、高等裁判所から28億シンガポールドル(約2200億円)の債務支払い猶予の期限延長を認められた。同日が期限だったが、8月2日まで延長した。ハイフラックスは今後2カ月間で債権者が納得する新たな再建の道筋を示す必要がある。スポンサー候補とはまだ最終合意していない。再建に向け不透明な状況は続きそうだ。

シンガポールにあるハイフラックスの本社ビル

ハイフラックス側は裁判で「スポンサー候補は複数いる。6月末までにいずれかと正式合意する見通しだが、債権者集会など手続きに9月までかかる」とし、債務の支払い猶予の4カ月間の延長を求めた。エディット・アブドゥラ裁判官は2カ月の延長を認め「2カ月後に出資者との交渉が順調ならば、さらに2カ月間の延長を認める」と述べた。

ハイフラックスは著名起業家、オリビア・ラム氏が1989年に創業した水処理施設の開発運営会社。水不足のシンガポールや中東で処理施設を手がけ急成長した。しかし、2016年に参入した発電事業の失敗を機に資金繰りが悪化した。18年6月に債務支払い猶予を裁判所に申請した。インドネシアのサリム・グループによる出資に望みを託したが、4月に破談になり再建計画を一から練り直すことになった。

新スポンサーの最有力候補はアラブ首長国連邦の民間公益事業大手、UTICOだ。4億シンガポールドル(約320億円)出資に向けて、4月ごろから出資交渉を始めたが、まだ合意しておらず、再建計画の詰めにも至っていない。

ハイフラックスは並行してモーリシャスを拠点とする投資ファンドや「淡水化で世界10位に入る企業」とも交渉しているという。そのほか出資や資産買い取りを検討している企業が5社あると発表するなど、債権者の不安払拭に努めている。

すでに債務返済が凍結して約1年が経過した。みずほ銀行、ドイツ政府系の復興金融公庫などの7銀行は4月下旬、管財人の管理下で再建を加速するよう訴えを起こした。裁判所はその手続きを認めなかったが、債権者はしびれを切らしている。今回が再建の最後のチャンスとの見方が強い。

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