2019年7月16日(火)

ビル空き室 ホテルに改装、ホスティ 福岡で1棟丸ごと

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2019/5/29 19:26
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ホテル関連スタートアップのHosty(ホスティ、福岡市)は29日、福岡市の繁華街、中洲に新しいホテルを開業した。同社はマンションやビルの空き部屋を改装し、一室だけの「コンパクトホテル」を展開しているが、今回ほぼ1棟借りしてホテルを開く。部屋数は65室。2020年開催の東京五輪をにらみ、KDDI(au)と連携して年内の首都圏進出も目指す。

ビルの空室などを改装し、ホテルとして開業する(29日、福岡市博多区)

ビルの空室などを改装し、ホテルとして開業する(29日、福岡市博多区)

同社はビルの一室を借り、ホテルの客室に改装したコンパクトホテルを「mizuka(ミズカ)」というブランドで展開している。宿泊者は天神と中洲にある受付用フロントでチェックインし、オンライン決済する。複数の客室の受付業務を集約し、運営費用を抑えている。

山口博生社長は「今後のホテルは高価格帯と低価格帯に二極化する。ホスティはホテル業界の『ファストファッション』にあたるものを目指す」と強調する。

ホスティの山口社長は年内に東京への進出を目指す(29日、福岡市)

ホスティの山口社長は年内に東京への進出を目指す(29日、福岡市)

同社は17年に福岡市でコンパクトホテルを始めた。18年5月は5部屋だったが、今年5月末までに123部屋まで急拡大している。福岡市は土地や建物の価格が高騰しているが、同社は大規模用地など初期投資を省き、駅の近くなど利便性が高い場所にあるビルを改装してホテルにしている。

同社はこのほど、KDDIなどから3億3000万円の出資を受け、4月には同社と業務提携した。19年中に東京への進出を目指している。20年5月には全国で750室まで増やし、うち300室を東京で展開する計画だ。

KDDIは首都圏での展開を支援する。ホスティは今後チェックインも各部屋に設置されたタブレット端末で行えるようにすることを目指しており、KDDIは通信技術など技術面でバックアップする。

コンパクトホテルは場所を確保してから最短2カ月で開業でき、採算が合わなければ撤退も容易という。KDDIは訪日外国人客(インバウンド)の位置情報などから、観光客が集まる場所などを分析。KDDIの中馬和彦ビジネスインキュベーション推進部長は「インバウンドに人気が出た観光地の近くに、タイムリーに開業できる」と話している。

15年にホスティを創業した山口社長に戦略を聞いた。

――この1年で約120室のコンパクトホテルを開業しています。

「1人当たりの宿泊単価は3500~5000円と低く、地下鉄の駅近くなど便利な場所に開設している。トータルで見たときのコストバランスの良さが評価されていると思う。平均客室稼働率は9割を超えており一般的なホテルより高い」

「民泊に慣れたインバウンドに受け入れられている。宿泊客の6~8割がインバウンドで、スマートフォン(スマホ)の仲介サイトなどを通じて宿泊しているようだ」

――今後の全国での開業計画は。

「20年5月までに東京で300店舗の出店を目指すほか、大阪や沖縄など、市場が見込める場所にホテルを開業していきたい」

――利便性をどう高めていきますか。

「よりシームレスに宿泊できる体制を作りたい。具体的にはスマホアプリなどで決済を済ませた上で、ホテルの部屋の入り口に設置したカメラで顔認証し、チェックインできる仕組みなどを考えている」

「周辺の飲食店やレンタカー、旅行会社のツアー商品との連携も考えている。ホスティのホテルに宿泊するとクーポンが発行され、観光客の利便性が高まるようにする。ホテルと街のサービスを結びつけ『街を1つのホテルにする』ことを目指している」

――福岡市は起業が活発です。他のスタートアップとの協業は考えていますか。

「福岡市の起業支援施設(フクオカグロースネクスト)などを通じてベンチャーキャピタルの紹介を受け、投資を受けることができた。今後は福岡の地場スタートアップとの協業も進めていきたい」(聞き手は荒牧寛人)

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