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業績ニュース

レオパレス、遠い幕引き 人事刷新でも体質改善不安

2019/5/29 21:38
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賃貸アパート大手のレオパレス21は29日、アパートの施工不良を巡る問題で外部調査委員会の最終報告書を公表した。創業者がコンプライアンス(法令順守)の体制づくりを怠ったと批判した。会社は再発防止策を打ち出し、深山英世社長ら社内取締役7人の退任を決め、新生レオパレスの船出をアピールした。しかし問題物件の改修はほとんど進まず、会社の体質改善に向けた課題は山積みで幕引きには遠い。

記者会見で謝罪するレオパレス21次期社長に決まった宮尾常務(左端)と退任する深山社長(左から2人目)ら(29日、東京都中野区)

記者会見で謝罪するレオパレス21次期社長に決まった宮尾常務(左端)と退任する深山社長(左から2人目)ら(29日、東京都中野区)

2018年春に表面化した施工不良では、19年2月に立ち上がった調査委が原因を調べた。

その最終報告書で、屋根裏に設ける延焼防止用の仕切り壁(界壁)の施工がない問題について、レオパレスが把握したと主張してきた18年より前から違法性の指摘が社内であったと認めた。オーナーとの訴訟を通じても法令違反の情報が社内に流れたのに「素通り」してしまう「リスク感知体制の不備」があったと経営陣の責任を指弾した。

特に創業者で社長だった深山祐助氏の「ワンマン体制」を指摘し、施工不良は「深山祐助氏らの落ち度が主たる要因」だとした。その中で販売拡大を優先するあまり、自治体に虚偽申請するなど法令順守の姿勢が軽視されたと断定した。

調査委委員長の伊藤鉄男弁護士(西村あさひ法律事務所)は同日の記者会見で、法令順守について「直接違法なことをやらなきゃと思ってやった人はいないが、順法意識が皆に欠けていたことは感じた」と述べた。深山英世社長は「かねての企業風土で一連の問題が起き、改善できなかったことは残念だ。申し訳ない」と謝罪した。

経営陣の大幅刷新も正式に発表した。深山氏と同じ創業家の忠広副社長を含む7人の社内取締役が6月27日の定時株主総会で退任する。残るのは5月30日付で社長に就く宮尾文也取締役常務執行役員のみだ。

今回の報告書公表と人事刷新で問題の幕は引けそうになく、多くの課題が残る。

まず報告書で指摘されたコンプライアンス意識の欠如などを改めるため、組織体制や経営の見直しが進むかだ。再発防止策で法令順守を担う部署の新設などを盛り込み、3人の社外取締役を5人に増やし、社内取締役は7人から5人に減らすことにした。ただ深山英世氏が相談役に残るため、体質改善に差し障るのではとの懸念は拭えない。

次に施工不良物件の取り扱いがある。レオパレスは問題発覚以降、全物件を対象に調査を進め、問題が確認された場合は会社負担で改修しており、工事のために必要になった住人の引っ越しの費用も支払っている。

4月末時点で調査を終えたのは約2万棟と半数にとどまる。調査したうちの7割、約1万5600棟で不備が見つかったが、大半の改修はできていない。今後の調査で不備物件が拡大し、費用が膨らむ恐れもある。

3月末の現預金は845億円で、1年前から220億円減った。手元資金(現預金と流動性のある有価証券など)から有利子負債を除いたネットキャッシュは約510億円(3月末時点)。改修工事引当金として507億円計上し会社は「資金の問題はない」とするが、支払いがかさめば手元流動性への不安は残る。

同社は地主からアパート建築を受注し完成後に一括借り上げして転貸する「サブリース」の形式をとる。入居率が80%前後まで下がると、資金が流出する逆ざやに陥るとされる。4月の入居率は82.35%と過去1年間で約10ポイント低下している。

同社は20年3月期の売上高を前期比1%減の5022億円、最終損益で1億円の黒字(前期は686億円の赤字)と予想し、通期の入居率を85.2%と見込む。改修費の拡大やブランド力の低下による入居率の低迷が進めば、経営環境の悪化は避けられない。

(亀井慶一、太田明広)

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