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ダービー、伏兵・本命で明暗 波乱演出した高速馬場

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2019/6/1 6:30
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全国が真夏を思わせる暑さに覆われた5月26日。競馬の祭典、第86回日本ダービー(東京優駿=G1・芝2400メートル)が行われ、単勝12番人気の伏兵ロジャーバローズ(栗東・角居勝彦厩舎)が道中2番手から抜け出して優勝。単勝1.6倍で支持率が50%に迫ったサートゥルナーリア(同)は出遅れて4着という波乱の決着で幕を閉じた。同じ厩舎の2頭がくっきりと明暗を分けた一戦。何が勝者を後押しし、何が大本命の足を引っ張ったのか? 2016年産世代全体の評価も含めて探ってみた。

第86回日本ダービーは単勝12番人気の伏兵ロジャーバローズ(右)が制した=共同

第86回日本ダービーは単勝12番人気の伏兵ロジャーバローズ(右)が制した=共同

人気順や払戻金額を見れば波乱に違いないが、25、26両日の競馬を見ていた人なら、この結末は決して描けない絵ではなかった。東京の芝は25日から内柵が前週より3メートル外に移された。本来の柵からは6メートル外側で、前週までの設定をBコース、25日からの設定をCコースと呼ぶ。こうした運用は、多くの馬が走って荒れた部分の外側に柵を置き、全体的に良い状態を保つための工夫だ。

日本ダービーは毎年、柵が移された週に開催されるため、距離的なロスなしに、荒れ方が少ない馬場の内を通れる内枠が有利な傾向が表れていた。しかも、4月下旬に始まった19年春の東京競馬で、4週目以降は好天が続き馬場が乾いて高速化。先行した馬が「馬場に走らされた」ように、失速せずゴールまでなだれ込む形が繰り返された。馬場の後押しを一身に受ける内枠の先行馬。ぴったりはまったのがロジャーバローズだった。

レース最速タイム、額面通りといえず

同馬はデビュー4戦で2勝したが、取り口は固まっていなかった。だが、5戦目の京都新聞杯(G2)は3番枠から初めて逃げ、ゴール前で粘り腰を見せて2着。意気上がる陣営に23日、1番枠という吉報が届いた。

浜中俊騎手(30)も、早々に腹を決めた。自分が逃げるか、無理に先手を主張する人馬がいたら2番手で運ぶ。トライアルのG2、青葉賞を逃げ切ったリオンリオン(栗東・松永幹夫厩舎)も先手候補だったが、同馬は15番枠。最初から勢いをつけないと先手が取れない状況だった。しかも、20歳でダービー初騎乗の横山武史騎手となれば、陣営も複雑な指示は出さない。

案の定、好スタートを切ったロジャーバローズを、1コーナー付近で抜いて先頭に立ったリオンリオンは、1000メートル57秒8、折り返しの1200メートルを69秒8というラップで飛ばした。「遅いペースの瞬発力比べは不向き」(浜中)なロジャーバローズには願ったりの展開。映像で測ると、ロジャーバローズの1200メートル地点通過はリオンリオンから1秒5ほど後、推定71秒3となる。決着は2分22秒6だから、前後半を同じラップで走ったことになる。

1頭がハイペースで逃げると、離れた2番手の馬が得をするパターンは少なくない。ペースに幻惑され、後続の騎手が仕掛け遅れることが多いのだ。しかも、人気がない分、浜中も思い切って乗れた。「差されても仕方ない」と、早めに仕掛け、残り400メートルすぎで先頭に立つと、ダノンキングリーに迫られながら、首差でしのいだ。

日本ダービーを制したロジャーバローズと、声援に応える浜中俊騎手=共同

日本ダービーを制したロジャーバローズと、声援に応える浜中俊騎手=共同

最後の200メートルのラップは12秒0(時速60キロ)。今の芝の状態を考えれば、既に失速していたのだが、ダノンキングリーも最後は左右にふらつき、真っすぐ走れないほどバテていた。同馬は道中5番手前後。人気上位3頭で最も前にいたが、もともと距離が不安視されていた。勝敗を分ける勘所で弱点を露呈した形だ。

馬場、枠順、展開と全てが味方したロジャーバローズが勝ち、皐月賞1~3着のサートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリーの「3強」が、道中の並び順のまま2~4着を占めた今回のダービー。タイムの2分22秒6は15年のドゥラメンテを0秒6上回るレース最速となったが、額面通り評価しにくい。

柵の位置以外はほぼ同じ条件だった19日のオークス(優駿牝馬)も、レース最速を0秒8(5馬身相当)更新したからだ。さらに1週遡った12日のG1、ヴィクトリアマイルでは、芝1600メートルの中央競馬レコードより0秒2、東京芝1600メートルのレコードより0秒8速い1分30秒5(優勝ノームコア)が記録されている。オークスとダービーのタイム差が0秒2というのは、歴史的には小さい部類で、16年産世代の牡馬はさほど高いレベルとは言い難い。

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