中国新興EV・NIO、1600億円調達 自社工場建設へ

2019/5/29 19:30
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【広州=比奈田悠佑】中国の電気自動車(EV)メーカー、上海蔚来汽車(NIO)は中国の政府系ファンドなどから100億元(約1600億円)を調達する。北京に受け皿となる新会社を設立し、EVの生産の体制の整備や開発強化に充てる考えだ。現在は中堅自動車メーカーの安徽江淮汽車集団(JAC)に生産を委託している。今後は資金を確保した上で、自社での生産体制を確立し、激しいEV市場での勝ち残りを目指す。

NIOは資金調達で自社工場の整備などを進めるとみられる(4月、上海)=ロイター

NIOが北京に近く設立する新会社に対し、政府系ファンドの北京亦庄国際投資発展などが合計100億元を出資する。大半の新興EVメーカーは自社工場を持たず開発を主体としているが、NIOは初の自社工場を建設し、他社とは差別化する。

NIOは中国に数十社ある新興EVメーカーの中でも有力企業として知られ、2014年の創業ながら、18年9月には米ニューヨーク証券取引所に上場した。ネット大手の騰訊控股(テンセント)などが出資している。18年夏には45万~57万元(700万~900万円)程度の高価格帯EVを発売し、「中国版テスラ」ともいわれる企業だ。

一方で、足元では利益面での課題がある。18年12月期の純損益は96億元の赤字。19年1~3月期も26億元の赤字だった。開発費用や外部への生産委託で費用がかさんでいるためだ。

中国の新エネ車市場は比亜迪(BYD)など大手がEV販売で先行している。大手5社が台数ベースのシェアで過半を占め、後発メーカーの成長を阻む。そのうえ政府は10年から支給していたEVなどエコカーへの販売助成金を17年から段階的に減らし、20年に打ち切る方針。大手も採算悪化に苦しむ。市場環境の厳しさが増すなか、生き残りをかけた各社の動きが激しくなりそうだ。

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