2019年6月19日(水)

がんゲノム医療に保険適用決定 最適な薬の選択早く

経済
2019/5/29 10:46
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厚生労働省は29日、がん患者の遺伝情報から最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」への保険適用を初めて決めた。薬を選ぶまでの医療費は56万円となる。がん治療ではがんの遺伝子変異をもとに薬を選ぶ。これまでは一度の検査で少数の遺伝子しか調べられなかったが、がんゲノム医療では多くの遺伝子を調べられる。最適な薬が早く見つかる可能性が高くなる。

患者から遺伝子の献体を採取する

患者から遺伝子の献体を採取する

29日午前に中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会を開き、了承された。保険診療の対象になるのは「がん遺伝子パネル検査」。シスメックス中外製薬がそれぞれ保険適用の希望を申請していた。6月1日から適用になる見通しだ。

がんは遺伝子の変異をきっかけに発症する。遺伝子変異を探し、対応する薬を投与すれば高い効果が期待できる。遺伝子パネル検査はがん組織などの多数の遺伝子を一度に調べ、専門家が結果を解析して最適な薬の選択につなげる。

検査は保険外診療だったため費用は数十万円と高額だった。保険適用で患者は原則3割負担になる。1カ月の自己負担の上限を定めた高額療養費制度を利用できれば、自己負担はさらに抑えられる。

ただ対象は固形がんの患者で、最適な治療法である「標準治療」を終えた場合などに限られる。検査をしても薬の選択につながるケースは1~2割とされる。

保険適用にあたり、厚労省は患者から同意を得られる場合、病院に国立がん研究センターへの遺伝情報の提供を義務付けることにした。データを集積することで精度を高めるための研究や創薬などにいかす。

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