西山ファーム、若者中心に被害か 出資法違反の疑い
高配当をうたって現金を集めた出資法違反(預かり金禁止)の疑いで、愛知県警が28日、岡山県赤磐市の観光農園経営会社「西山ファーム」の関係先を家宅捜索した。指定の商品をクレジットカードで買うだけで報酬を上乗せして返金するとうたい顧客を勧誘。SNS(交流サイト)で宣伝すれば手軽に稼げると説明し、若者を中心に被害が広がったとみられる。
捜査関係者によると、西山ファームは2016年ごろから、果物やジャムをカード決済で大量に購入すれば、代金に数%を上乗せした額を返金すると約束。「商品を海外に転売して利益が出ている」と説明していた。一部の顧客からは保証金名目で違法に現金を集めた疑いがある。

相談を受ける弁護士らによると、約1500人の顧客の多くは中部や関西の若者という。19年2月末ごろに顧客への返金が止まり、カード決済分の支払いができないトラブルが相次いでいた。
最近になって西山ファーム元幹部らが、健康食品などをカードで大量購入し商品写真を写真共有サイト「インスタグラム」に投稿すれば全額が返金されるとする事業も開始。「顧客はカード決済のポイントをためられる」とうたっていた。
西山ファーム側は「8割以上の顧客と和解し残る顧客にも返金する方針だ」と説明。インスタグラムを使った事業については「別会社の事業で関わっていない」と主張している。