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頑張る地方大学、弘前大に学べ(大機小機)

2019/5/28 18:01
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日本のイノベーション促進の観点から大学教育の質に関心が高まっている。また、国公立か私立かにかかわらず、地方大学の役割と存在意義が問われている。

そんな中、内閣府が主催した第1回日本オープンイノベーション大賞の内閣総理大臣賞を青森県の弘前大学のプロジェクトが受賞した。同プロジェクトの始まりは「日本一の短命県」を返上するための取り組みであったと聞く。病気や認知症の人だけでなく、健康な人の健康診断データも集めてビッグデータ分析で疾患の危険因子を特定。疾患の予兆を発見し、予防や早期治療につなげる狙いで、生活習慣病の重症化や認知症予防に効果を上げているという。

同様な取り組みは全国各地で進むが、常にネックになるのが、7割に達するといわれる健康づくりに無関心な層の取り込みだ。弘前大のプロジェクトでは時間のかかる健康診断の結果を参加者に即日還元し、同時に健康教育や啓発を通じて住民の行動変化を促す。こうした活動を家庭や職場、学校で展開するため、同大学が地域のプラットフォームとして機能している。

それでも、プロジェクト全体を回すには一地方大学の手に余る。そこで必要なのが連携だ。ビッグデータの解析や学術的知見を得るため、県外の大学医学部と協力する。データと企業の持つ技術を組み合わせて健康維持や予防に効果的な製品やサービスを生み出すべく、大企業や地場企業と組む。新事業創出や健康づくりを進めたい県内外の自治体とも連携する。さらに、地元の医師会や、健康づくりの先導役としてプロジェクトを支援する住民も加わり、文字通りオープンイノベーション体制を構築している。

産官学民の連携の下、地域住民の健康づくりを通じて、医療・介護費の抑制はもとより、住民の生活の質(QOL)改善と生産性アップ、イノベーションの創出、地域産業の振興、コミュニティーの再生、地域経済の活性化につながることが期待できる。

地方大学がここまでやるのである。このプロジェクトは政府が机上で描くSociety5.0の社会実装を見事に先取りする。好事例として他地域の取り組みの参考にするのもいいが、むしろ国の政策体系に位置付け、ナショナルプロジェクトとして推進してはどうだろうか。(追分)

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