地元就職希望が半数以下、売り手市場強く 民間調べ
就職情報のマイナビ(東京・千代田)が発表した「Uターン・地元就職に関する調査」で、2020年卒業予定の大学生・大学院生のうち、地元に就職したい人が半数を下回った。調査を始めた12年卒以来で最低となった。売り手市場のもと、就職活動をする学生の大都市志向が強まっているようだ。

地元への就職を希望する人の割合は49.8%と、昨年に比べて1ポイント減少。17年卒以降3年連続の低下となった。
内訳をみると、地元の大学に進学した学生において減少が顕著だ。昨年に比べて2.3ポイント低い69.4%だった一方で、地元以外の大学に進学した学生は0.4ポイント低い33.4%だった。「売り手市場のもと、地元の大学周辺よりもより都市部にある人気企業を受けてみようと考える学生が増えているのでは」(マイナビ)
地方における人材確保が課題となるなか、都市部へ進学した学生のUターン就職には多くの障害がある。地元以外の大学に進学した学生に聞いたところ、「地元までの交通費」「地元までの距離・時間」「やりたい仕事がない」が上位に並んだ。マイナビによると「地元の業界・企業研究までできる学生は少ない」という。
都市部に進学した学生に地元就職を希望する人を増やすアイデアを聞いたところ、「東京からのUターン就職を考える学生には都内での説明会を開いてほしい」「ウェブ説明会やウェブ面接を増やすなどしてほしい」との回答が並んだ。
調査は大学4年生と大学院2年生を対象とし、3月20日から4月7日にインターネットで調べた。7734人から有効回答を得た。自分が卒業した高校がある都道府県を地元とみなして聞いた。(橋本剛志)

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