2019年8月25日(日)

オーストリア首相が退任へ 下院が不信任、再起に意欲

2019/5/28 5:44 (2019/5/28 9:00更新)
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【ベルリン=石川潤】オーストリアの下院で27日、内閣不信任案が可決され、クルツ首相の退任が決まった。32歳のクルツ氏は移民への厳しい発言などで人気を集めたが、極右の自由党と連立を解消したことで少数与党となり、同国で戦後初となる不信任案による退陣に追い込まれた。クルツ氏は9月に実施する見通しの総選挙に勝利することで、首相への返り咲きを狙う。

退任が決まったオーストリアのクルツ首相=AP

退任が決まったオーストリアのクルツ首相=AP

「今日は議会が決めたが、最終的に決めるのは国民だ」。クルツ氏は27日夜、再起に強い意欲をみせた。「2年前に始めた改革が今日で終わることはない」と指摘した。最大野党の社会民主党と、政権を離脱したばかりの極右の自由党が不信任案に賛成したことに対し「(クルツ氏が率いる)国民党への憎しみで一致した新たな連立だ」と述べ、対決姿勢を強めた。

オーストリアでは17日、自由党のシュトラッヘ氏がロシア人投資家とされる女性に利益供与を約束していた疑惑が浮上した。シュトラッヘ氏が副首相辞任に追い込まれたのに続き、クルツ氏の対応に不信感を持った自由党の全閣僚も辞任を表明し、連立政権が崩壊した。クルツ氏は早期に総選挙を実施する考えを示したが、野党は一連の混乱への首相の責任を明確にするため、不信任案提出に踏み切った。

26日の欧州議会選挙ではクルツ氏の国民党が社民党と自由党を大きく引き離して勝利した。自由党を切り捨てて人気を維持するクルツ氏への反発と焦りが、野党を不信任案の提出に駆り立てた面もある。

不信任案の可決前にクルツ氏は「総選挙が数カ月後に予定されているのに政権をひっくり返すことは国民の理解を得られない」と語っていた。野党はクルツ氏を首相から引きずり下ろすことで総選挙を優位に戦う方針とみられるが、混乱が広がれば野党自身に批判がはね返りかねない。

クルツ氏の辞任後は大統領が指名した新首相が選挙までの暫定政権を率いる。欧州連合(EU)の次期首脳人事などを控えるなか、政治空白が避けられない情勢だ。

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