2019年7月19日(金)

トランプ氏来日、日米蜜月の成果と不安

トランプ来日
政治
北米
2019/5/27 23:05 (2019/5/28 6:50更新)
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安倍晋三首相は27日、東京・元赤坂の迎賓館でトランプ米大統領と会談し、日米貿易交渉で早期に成果を出すため協議を加速する方針で一致した。トランプ氏は「8月に発表がある」と述べた。北朝鮮による日本人拉致問題を巡り、首相が条件をつけずに日朝首脳会談の実現をめざす姿勢を伝え、トランプ氏は支持した。イラン情勢では首相が緊張緩和に向け努力する方針を伝達。6月中旬にもイランを訪れる調整に入った。

■貿易交渉「8月発表」駆け引き
首相「日米同盟揺るがず」トランプ氏「TPPと関係ない」
■両陛下、国際公務デビュー
トランプ夫妻と英語で歓談「強い友情の絆」
■日米外交、蜜月演出
ゴルフ中2人で自撮り、外交も「SNS映え」
国賓が映す日米史 トランプ氏、米大統領7人目
中国をけん制
トランプ氏「米中貿易協議、早期合意は困難」

トランプ氏は元号が令和に変わって初の国賓として来日した。2017年1月の大統領就任以来、安倍首相との会談は11回目。27日の会談は少人数で45分協議した後、出席者を増やし1時間15分話し合った。さらに35分間の昼食会を開いた。

貿易交渉についてはトランプ氏が会談冒頭で「8月に発表がある。貿易不均衡の問題を迅速に解決したい」と述べた。夏の参院選後を念頭に置いた発言とみられるが、「発表」が何を意味するのかは不透明だ。会談後、西村康稔官房副長官は記者会見で、8月の合意で一致したのかと聞かれ「全く無い」と否定した。

トランプ氏は会談後の共同記者会見で「環太平洋経済連携協定(TPP)は何の関係も無く、拘束されない」と指摘。「目標は貿易赤字を減らし、輸出に関する障壁を取り除くことだ」とけん制した。

一方、首相は会談で、直近1カ月で日本企業の対米投資が10億ドル増加した点などをあげ「世界で最も米国の経済に貢献しているのが日本企業だ」と伝えた。共同記者会見では、農産物の関税をTPPで認めた範囲内とすることなど昨年9月の日米共同声明に沿って交渉する考えを示した。

北朝鮮問題では、首相は共同会見で「日米の立場は完全に一致している」と表明した。拉致問題を解決するため、条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長と向き合うとした方針について「トランプ氏から力強い支持をいただいた」と述べた。トランプ氏は「拉致被害者を帰国させるための日本の努力を支援するため全力を尽くす」と応じた。

トランプ氏は「核兵器を持つことは悪いことしか起こらないと金正恩氏は考えている」との認識を示した。非核化についても「急いでいない」とし、北朝鮮との対話継続に意欲を示した。

イラン情勢を巡っては、首相は6月中旬にも同国を訪問し、ロウハニ大統領との会談を検討している。会談でトランプ氏は「首相はイラン指導部と非常に密接な関係にある。今後どうなるか見ていきたい」と話した。首相は「日米で緊密に連携しながら緊張状態を緩和したい」と述べた。トランプ氏の理解を得られたとみてイラン訪問の調整を本格化する見通しだ。トランプ氏は共同記者会見で「イランの体制転換を求めているわけではない」と語った。

首脳会談後、トランプ氏は北朝鮮による拉致被害者家族と面会した。「拉致問題はいつも私の頭の中にある」と話し、被害者の帰国に向け協力する考えを強調した。

首脳会談で共同声明などの成果文書はなかった。6月の20カ国・地域(G20)首脳会議でトランプ氏が再訪日し、4月の首相訪米とあわせて3カ月連続で会談する。

トランプ氏は28日午前に海上自衛隊の横須賀基地(神奈川県横須賀市)に停泊中のいずも型護衛艦「かが」に乗艦し、午後に日本を離れる。

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